物心ついた頃からずっと体型にコンプレックスを抱えてきた私、ぴーちゃん。「太っていることは悪いこと」と思い込んでいた私は、ファッションについてもとある「呪い」とともに生きてきました。そんな私がおしゃれを楽しめるようになるまでの体験談を、第4回の連載コミックエッセイで綴ります。
最後までお付き合いいただけると嬉しいです。
≪ぴーちゃんプロフィール≫
1997年生まれ。元美大生。普段はイラストレーターとして活動。現在、WEBメディア「パレットーク」で働くインターン。 同メディアの記事「うちのインターン生はADHDです。」が話題を呼び、ADHDとうつを抱えてサバイブしてきた日々を描く、実録コミックエッセイ「ぴーちゃんは人間じゃない」(イースト・プレス刊)が発売中。
私は体重だけでなく身長も平均より高かったため、学生時代はずっと体型や見た目でいじめられていました。
また、華奢な体型の妹と比較されてきたこともあって子どもだった私が「太っていることは悪いこと」だと認識するのは至極自然な流れでした。
洋服に興味を持ち始めた小学校高学年の頃、私はすでにプラスサイズでした。
当時、心惹かれる洋服はすべて自分以外の人のための服だと知ったとき、自分は社会の規定外で自由にファッションを楽しんではいけない人間なんだと泣きそうな気持ちになったことを今でも思い出します。
そんな中で、私が必死にすがりついていたのが「黒は痩せてみえる」という言葉。黒い服を着て、少しでも痩せて見えることで、みんなと同じ土俵に上がることを許してもらえるような気がしたのかもしれません。
初めは黒い服をなんとなく選んでいる程度でしたが、次第にそれは自分を苦しめる呪いに変わっていき…。
私は「痩せるための黒」を選び続けているうちに、本当に着たかった服や洋服に対する熱意を押し殺してしまっていたのです。そしてその異常さは、妹に指摘されるまでまったく気づいていませんでした。
気づいた頃には、本当に着たいと思う服を着る勇気はなくなっており、完全に呪いに支配されていたのでした…。
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