【医師が解説】便秘がち女子必見! 体質改善で毎日スッキリなお通じへ

2021.08.07

「何だかいつもお腹が張っている気がする」
「たまにはすっきりとお通じを出してみたい」
「便秘」は、女性を悩ませる身近な問題ですよね。
「出すのは大切だとわかっていても、なかなかすっきりと出すことができない」、「市販の下剤に頼ってもうまくいかない」そんな方も多いのではないかと思います。
そこで今回は「便秘」のよくある原因と、日常生活のなかでできる具体的な対策について、総合内科のドクターが解説します。


【どこからが「便秘症」なの?】

「便秘」とは、「排便が数日以上なく、しかも排便間隔が不規則になっていること」をいいます。

実は「何日以上」という明確な基準はなくて、規則的に出ていれば毎日出ていなくても問題はない場合も多いです。お医者さんによってもさまざまな意見があります。

ただ、「便秘かも?」と感じる多くの場合「便が出てもスッキリしない」「トイレで長時間がんばってしまう」「少量ずつの便しか出ない」など、本人にとって不快なことを伴っていることが多いです。
このように、「便秘」の定義を満たしつつ、不快な感覚を伴う場合は「便秘症」といって差し支えはないでしょう。

【便秘の原因はひとつじゃない?】

さて、なぜ「便秘」は起こるのでしょうか。大きくみて次の4つの原因があります。

【トイレを我慢し過ぎる】
便が出せる準備が整うと、人は「便意」を感じます。しかし、便意を感じても、トイレを我慢してしまう習慣がある人は要注意です。
なぜならば「便秘」をもたらす神経の反応は繊細で、トイレの我慢を続けていると、神経そのものの反応が鈍くなってしまうからです。その結果、便がたまっているのにもかかわらず、便が出せない状態になってしまいます。

【ストレスがかかり過ぎている】
便を作る腸の動きには自律神経が関わっています。人はストレスを感じると、自律神経の働きが興奮してしまいます。これは冷えや痛みなどの物理的ストレス、不安や恐怖などの心理的ストレスのどちらでも起こります。
自律神経が興奮すると、腸が痙攣(けいれん)してしまうことがあります。それが「便秘」の原因となってしまうことがあるのです。ただし、体質によっては逆に「下痢」になってしまう場合もありますが、女性ではなぜか「便秘」になる人の方が多いです。

【食物繊維のバランスが悪過ぎる】

よく「食物繊維を摂るとお通じがよくなる」という話があります。そのため、野菜をたくさんとるようにしている女性も多いかもしれません。
確かに、食物繊維が足りないと便が形にならず便秘になりやすくなります。しかし、食物繊維の摂り過ぎによって便がでにくくなってしまうこともあるのです。
実は食物繊維には、便を軟らかくする「水溶性食物繊維」と便のカサを増やす「不溶性食物繊維」の2種類があります。このうち「不溶性食物繊維」を摂り過ぎてしまうと、固くて大きな便になり逆に出しにくくなってしまうこともあるのです。
食物繊維を摂っているのに便秘がちだという方は、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維をバランスよく摂るようにしてみてください。

「水溶性食物繊維」の多い食べ物・・・イモ類、海藻類、大豆、こんにゃく、など
「不溶性食物繊維」の多い食べ物・・・ごぼう、穀類、大豆、きのこ、など

【下剤の使い過ぎ】
「便秘には〇〇」などのキャッチーなフレーズにひかれて、市販の下剤に頼っている方も要注意です。
センナやアロエなどの「刺激性下剤」は、腸の神経を刺激してお腹を動かす薬なのですが、何度も使っているうちに神経が弱り、次第に効かなくなっていく特徴があるのです。
つまり、「便秘」を治すための「下剤」が、「便秘」の原因になるという残念な状況になり得るのです。



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