【皮膚科医が解説】冬だって油断できない!大人のあせも対策で理想の肌を手に入れる!

2021.10.22

「冬だから寒いし、厚着して寒さ対策ばっちり!」と思って出かけたのに、電車や室内、歩いている途中で暑くなって汗が……!なんて経験ありませんか?
厚着や過剰な暖房で意外と冬でも汗をかく機会があります。そんなことを繰り返してると、いつのまにかあせもができてしまう可能性も……。

今回は、大人のあせもに焦点をあてて、冬でも油断ならないあせもの基礎知識や、その原因と対策について解説します。



1.かゆくてブツブツ......大人のあせもはつらい
かゆくてブツブツ......大人のあせもはつらい
あせもは赤ちゃんや子供だけではなく、大人にもできることがあります。

普段あまり運動をせず汗をかかない人が、運動をしたり暑い場所に行ったりして急に大量の汗をかくとあせもができやすいといわれています。また、暑い場所で長時間仕事を行う人も、あせもができやすくなります。

では、あせもは、どんな部位にできやすいのでしょうか。あせもができやすい部位を見ていきましょう。

<あせもができやすい部位>
・発汗が多い部位(顔、首、体幹)
・関節部位(わきの下、ひざ、ひじ)
・ヘルメット、湿布、絆創膏、テーピング、ギプスなどを使用して通気性が悪くなっている部位

あせもを繰り返すと、赤み、かゆみ、ブツブツが慢性化して慢性湿疹に変化したり、湿疹に二次感染が起こると、とびひ(伝染性膿痂疹)になったりすることがあります。
あせもは放っておかず、早めに対策をとる必要があります。



2.あせもの原因は汗管のつまり
あせもの原因は汗管のつまり
ところで、どうしてあせもができるのでしょうか。
皮膚には汗を分泌する「汗腺(かんせん)」という器官があります。汗腺で作られた汗は「汗管(かんかん)」という管を通って「汗孔(かんこう)」という皮膚表面の開口部から出てきます。

汗の量が増加すると、汗が作られてから皮膚表面に出るまでの機能がうまく働かなくなり、汗管が詰まってしまうことがあります。そうなると、汗が皮膚のなかにたまり、たまった汗が皮膚の組織を刺激するのであせもができます。

あせもの種類は、汗管のどの部分で汗がたまるかによって決まり、主に次の3つに分けられます。

<あせもの種類>
・水晶様汗疹(すいしょうようかんしん)

皮膚の浅い部分(皮膚表面の角層や角層直下)で汗管が詰まった状態です。皮膚に数ミリの大きさの水疱ができます。赤みやかゆみはなく、数日以内に消えます。
・紅色汗疹(こうしょくかんしん)
角層の下にある表皮で汗管が詰まった状態です。1、2ミリ程度の赤いブツブツができ、かゆみを伴います。あせもといわれる症状のなかで最も多いタイプです。
・深在性汗疹(しんざいせいかんしん)
表皮と表皮の下にある真皮の間で汗管が詰まった状態です。紅色汗疹を繰り返した結果として起こることがあります。かゆみはなく蒼白色のブツブツができます。深在性汗疹が広い範囲にできると、汗の機能が働かず体温調節に支障が出ることもあります。

また、汗が長時間、皮膚表面に付着することで皮膚が「かぶれ」ることもあります。この症状も、あせもと合わせて起こることがあります。



3.あせもを予防する3つのポイント
あせもを予防する3つのポイント
汗はからだの熱を取り除いてくれる働きもあるため、体温調節になくてはならないものですが、あせもができるのはつらいですよね。あせもを予防して、快適な夏を送りたいものです。

そこで以下に、あせもの予防策を3つご紹介します。

<あせもの予防策>
(1) 環境や衣服を工夫する
できるだけ涼しい環境で過ごす、通気性のいい涼しい衣類を着る、など、大量に汗をかく状況をできるだけ減らすことで、あせもを予防することができます。最近は冷感素材の衣類やスカーフなども販売されています。また、ロングヘアの女性の場合、髪の毛をアップにするなど、髪形を工夫すると首の汗を防ぐことができます。

(2) 皮膚の清潔を保つ
汗が長時間皮膚に付着していると、皮膚症状の悪化につながります。こまめにシャワーなどで汗を洗い流しましょう。
シャワーの温度を低めにして、ぬるま湯や水を使うようにすれば、体温が下がり汗の量を抑えることができます。

(3) あせもの悪化を防ぐ
あせもができてしまった場合、できるだけ掻かないようにしましょう。患部を冷やすとかゆみが少しおさまります。

あせもの症状が長引く場合は、病院で相談することをおすすめします。ステロイドの塗り薬があせもの治療に有効です。
また、あせもを掻き続けていると、ジュクジュクして膿が出るなどの症状が伴うことがあります。その場合、とびひになっている可能性もありますので、早めに病院を受診しましょう。



4.湿疹やあせもなど皮膚トラブルには漢方もおすすめ
湿疹やあせもなど皮膚トラブルには漢方もおすすめ

「あせもによるかゆみに悩まない体質を目指したい」
そんな方には漢方薬がおすすめです。

漢方薬は医薬品として効果と安全性が認められており、あせもや蕁麻疹の治療にも使われています。
症状と体質に合った漢方薬を飲むことで、繰り返していた症状を根本からの改善を目指せます。

生活環境を整えたり、衣服を工夫したりするのは大変という方でも、漢方薬なら症状や体質に合うものを飲むだけなので、手軽に毎日続けられそうですよね。

さっそく始めてみたいと感じた方に向けて、あせもの症状におすすめの漢方薬をご紹介します。

<あせもに悩む方におすすめの漢方薬>
・消風散(しょうふうさん)
あせもや慢性湿疹に効果的です。皮膚トラブルの原因となる「風(ふう)」を消し去ることで皮膚の状態を改善します。

・黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
湿疹、皮膚炎、皮膚のかゆみに効果的です。皮膚の炎症の原因となる熱を取り除く作用があります。のぼせやイライラにも効果的です。

ただ、からだにやさしい漢方薬とはいえ、自分の体質に合っていなければ、よい効果が見込めないだけでなく、からだへのダメージを与える場合もあります。自分に合う漢方薬を見つけるためにも、購入時には、できる限り漢方に詳しい医師、薬剤師にご相談ください。

お手頃価格で不調を改善したい、という方にはスマホで気軽に薬剤師に相談できる「あんしん漢方」のような新しいサービスもおすすめです。AIと漢方のプロが、効く漢方を見極めて、お手頃価格で自宅に郵送してくれる「オンライン個別相談」が話題です。

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5.あせも対策で快適な夏を!
大人のあせもは急激に大量の汗をかくときに起こりやすくなります。
あせもは汗管が詰まることで起こりますので、発汗を抑えられるように環境や衣服、ヘアスタイルを工夫したり、こまめに汗を洗い流したりして、あせも対策をしましょう。専門家に相談して、あせもの治療に効果的な漢方薬もおすすめです。
汗とうまく付き合いながら快適な夏を過ごしましょう。



<この記事を書いた人>
皮膚科医 金城 里美
皮膚科医 金城 里美
医師/薬剤師
東京大学薬学部卒業後、医師を目指して、東京医科歯科大学医学部に入学。
体、精神とも関わって多様に現れる皮膚の病態に興味を持ち、皮膚科医の道を選ぶ。卒業後、大学病院、総合病院、クリニックでの皮膚科勤務を経て、一般皮膚科から美容皮膚科まで皮膚科領域の診療を幅広く行う。
現在、総合病院の皮膚科常勤医として勤務。3児の母。
皮膚がより良くなることで、その人の毎日がより明るくなることを目指して日々診療を行う。

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