「イライラするとつい食べ過ぎてしまう」
「生理前になると、お腹が空いていないのに過食に走ってしまう」
このようなお悩みは、生理前のPMS症状だけでなく、ストレス社会で頑張る日本人に起こりやすい「ストレス過食」かもしれません。過食もストレスも、ずっと綺麗でありたいと願う女性にとって、今すぐ改善したい問題ですよね。
そこで、今回は、どうにかしたいストレス過食の「原因」や「食べ過ぎの基準」、「ストレス過食の解消法」について詳しく解説します。
1.過食の原因はストレス?痩せたいという気持ちが強い人に多く見られるストレス過食。その原因として、生理前のPMS症状や無理なダイエット、日頃の精神的ストレスが挙げられます。
このようなストレスと過食の関係性、さらに、食べ過ぎの基準を以下に詳しく説明します。
1-1.ストレスと過食の関係性ストレスはさまざまな条件から生み出され、過食につながります。まずは、ストレスの原因別に、ストレスと過食の関係をご説明します。
・PMS症状によるストレスと過食過食はPMS症状のひとつともいわれています。PMS症状による過食が起こる原因として、女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンの変動が関わっているといわれています。
まず、
女性らしさを保つホルモン「エストロゲン」は、排卵(月経の約14日前)の後にガクンと減少します。
それによって、脳内で働く神経伝達物質の作用が低下し、感情のコントロールが難しくなり、無性にイライラしたり食欲が抑えられなくなったりしてしまうのです。
一方、
妊娠を助けるホルモン「プロゲステロン」は、排卵後から月経にかけて多く分泌されます。
プロゲステロンは基礎体温を上げ、水分をため込む働きをもつため、ほてりやむくみ、便秘などが生じます。これらの身体症状もストレスになり、イライラや過食につながると考えられています。
・無理なダイエットによるストレスと過食無理なダイエットには、過度な食事制限や過剰な運動などが挙げられます。
過度な食事制限を続けると、食欲を抑えるホルモン「レプチン」の分泌量が減るので、我慢していた食欲を抑えられなくなってしまい、過食につながることがあります。
さらに、
過度なダイエットでは、痩せなくてはという強迫観念でストレスが増し、かえって過食してしまうという悪循環を招く恐れもあるのです。・日頃の生活によるストレスと過食日常生活のなかでストレスがたまると、糖を血液に乗せて全身に運びエネルギーとして利用するホルモン「コルチゾール」の過剰分泌や、自律神経の乱れが生じるといわれています。
コルチゾールが過剰分泌されると、レプチンが減少するので、結果的に過食気味になることがあります。
さらに、自律神経の乱れは食欲の増加や代謝の低下につながるため、結果としてストレス太りにつながってしまうのです。
ストレス太りを防ぐには、日頃からストレスをためないように意識することが大切です。
1-2.どこからが食べ過ぎ?「食べ過ぎ」の基準は人によって異なるもの。「食べ過ぎ」の範囲は、少し食べすぎている程度から摂食障害レベルまで幅広いため、以下に基準を解説していきます。
<食べ過ぎの基準>・体重の増減は関係なく、苦しいほど食べている・食べる量は多くないが、摂取カロリーが高い(糖質や脂質量が多い食事や間食など)低カロリーといわれる食材(野菜や鶏胸肉など)であっても、食べる量自体が多過ぎると消化器官に負担がかかります。
負担がかかるような食べ方を続けていると、消化器官が悲鳴を上げ、痩せにくい・疲れやすい体質に変わるほか、老化現象にもつながりやすくなります。また、摂取カロリーが消費カロリーを上回る「オーバーカロリー」の食事をしていると、必然的に体重は増加します。糖質量の多い食事は太りやすいだけでなく、余分な水分をからだにため込み、代謝低下やむくみなどの不調を引き起こす原因となるため、注意が必要です。
上記のような、「食べ過ぎ」といわれる食事を続けていると、摂食障害につながる恐れもあります。摂食障害とは、痩せたいのにストレスで食べてしまったり、食べたことがストレスになり吐き出してしまったりなど、心身に影響が及ぶ病気です。
ストレスを感じたときに食べ過ぎていないか、食生活を見直すのがおすすめです。そして、ストレスを緩和するセルフケアを行えば、食べ過ぎている状態を改善することができるでしょう。
2.ストレス由来の食欲を抑える方法とは?食欲をコントロールするために、普段の生活に取り入れられる方法を3つご紹介します。
2-1.睡眠時間を確保する1日6~8時間の睡眠を確保しましょう。
質のいい睡眠は、自律神経やホルモンのバランスを改善し、免疫機能を正常に整えます。また、心身のバランスが安定し、ストレスに負けず食欲を抑える精神を保つことができるでしょう。
良質な睡眠をとるためには、入浴法を工夫するのも重要です。
<良質な睡眠をとるための入浴のポイント>・寝る1~2時間前に入浴する寝る前に入浴して一時的に体温を上げることで、睡眠の質が高まります。
・38~40度のぬるま湯につかるからだが温まることでリラックスしてストレスが解消でき、良質な睡眠につながります。
入浴が難しい人は、目覚めに朝の太陽光を浴びるといいでしょう。睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌が規則正しくなり、体内時計が調整されます。
起床直後の太陽光が最も効果的なので、起きたらまずカーテンを開けて気持ちのよい朝を迎えましょう。
2-2.適度な運動ウォーキングなどの適度な運動は、食欲に関係するホルモンによい影響を与えるといわれています。適度な運動には、食欲を高める「グレリン」を減らし、食欲を抑える「ペプチドYY」というホルモンを増やす効果があるのです。
しかし、初めから過度な運動をしようとすると、かえってストレスになってしまいます。以下に、おすすめの運動を紹介します。
<おすすめの運動>・筋トレ・ランニング・水泳・ヨガ など
ストレスなく効果を得るためにも、長く続けられる運動を見つけましょう。
2-3.アロマでリラックスストレス緩和には、嗅覚からのアプローチも効果的です。
「嗅覚」は、脳にダイレクトに作用するといわれています。ストレスを感じたときにいい香りを嗅ぐことで、気持ちが安定し、リラックスすることができるでしょう。
気持ちが安定すると、食欲をコントロールしやすくなります。
<ストレス解消が期待できるアロマオイル>・ラベンダー・ローズ・クラリセージ・ゼラニウム・ローマンカモミール<アロマオイルの活用法>・お風呂に2~3滴垂らす・ティッシュやタオルに1~2滴垂らす・ぬるま湯を入れたマグカップに1~2滴垂らして香りを楽しむただし、アロマオイルは、入れすぎない・長時間の吸入はしない・飲用しない、などの注意点を守って使用しましょう。
日頃のストレスを軽減してリラックスして過ごすために、好みの香りのアロマオイルを見つけ、日々の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
3.食べすぎてしまったときの対処法は?ストレスによる過食がクセになると、そのルーティンを繰り返しがち。
先程ご紹介したストレスを緩和するセルフケアに加え、食べ過ぎてしまったときの対処法を知っておくと、徐々にストレス過食をなくすことができるでしょう。以下に3つご紹介します。
3-1.上半身を立てた状態に保つまずは食事の席から離れ、できるだけ立ったまま、からだを垂直に保ちましょう。
食べ過ぎたときだけでなく、食後に横になること自体おすすめできません。食後すぐに横になると、胃に圧力がかかり、食べ物を消化するために分泌された胃酸が食道へ逆流しやすくなります。そうすると、食事をしっかり消化できないだけでなく、不快感や胃もたれがひどくなってしまう可能性があるためです。
3-2.食後の運動
食事を終えて30分~1時間後に、ランニング(20分以上)やスクワットなどの燃焼効果の高い運動をしましょう。
食後は、食べ物に含まれる糖分の半分がブドウ糖として全身に送られ、30分~1時間ほどかけて血糖値が上昇していきます。そうすると、血糖値を下げるために膵臓からインスリンというホルモンが分泌され、通常は2時間もすれば食事前の値に戻ります。
このとき、消費しきれなかった糖質や脂質が脂肪となってからだにため込まれるのです。
そのため、血糖値が上昇する時間帯(食後30分~1時間後)に合わせて運動することで、糖質や脂質がエネルギーとして消費され、脂肪をため込まないからだを目指せます。
ただし、食事した直後の運動はNGです。消化器官に負担がかかり、消化不良を起こす可能性があります。適切なタイミングでの運動を心がけましょう。
3-3.漢方薬を飲む「ストレスによる過食を根本的に改善したい」
「セルフケアだけでストレスを緩和できるか不安」
そんな方には漢方薬がおすすめです。
漢方薬は、生理前のイライラによるストレス太りなどの治療薬として、婦人科で使われています。また、内科では、食べ過ぎてしまった余分な脂質を便と一緒に押し出す効果がある漢方薬などが使われることもあります。
漢方薬は、根本的な体質から改善することを目的としているので、生理前の過食だけでなく、ストレスを抱えやすい体質を同時に改善することも期待できます。
バランスの取れた食事や運動などを毎日続けるのは苦手という場合でも、体質に合った漢方薬を毎日のむだけなら、手間なく続けられますね。
<ストレス緩和におすすめの漢方薬>・大柴胡湯(だいさいことう):ストレスで食欲が増して脇腹あたりが張る方気の巡りを改善して気分や食欲を落ち着かせます。また体内の余分な熱を取り除き、代謝バランスを整えて脂肪燃焼のサポートをします。便秘、高血圧、肥満に伴う肩こりや頭痛にも使用できます。
・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):のぼせや肩こりがあり月経痛がつらい方血流を整えて全身の新陳代謝の促進をサポートします。また、ホルモンバランスも整えることで、肥満に働きかけます。
・加味逍遙散(かみしょうようさん):疲れやすくイライラしやすい方自律神経を整えて、ホルモンバランスや血流を改善します。イライラや抑うつだけでなく月経異常、のぼせ、冷えにも効果が期待できます。
漢方薬は自分の体質に合っていなければ、よい効果が見込めないだけでなく副作用が起こることもあります。自分に合う漢方薬を見つけるためにも、購入時には、できる限り漢方に詳しい医師や薬剤師にご相談ください。
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4.生理前でもストレスコントロールで過食防止!ストレスによる過食を解消するには、ストレスの原因を見つめ直すことが大切です。
「何に対してストレスを感じているのか」「どういうときに過食したくなるのか」など、自分のストレスの原因を理解しましょう。
それから、自分に合ったセルフケアを行うことで、生理前でもイライラしにくい体質に変わるほか、日常生活のストレス過食も減らすことができるでしょう。
ストレスを減らすセルフケアや漢方薬で、ストレス太りを解消し、健康的なからだを目指しましょう!
なお、漢方薬を服用する場合は、ご自身にあった漢方薬を知るためにも専門家に相談するとよいでしょう。
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<この記事を書いた人>あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 杉岡 弥幸北里大学で生薬学を学び、卒業後は大手漢方専門店にて漢方薬剤師として勤務。現在は自身のダイエット経験や健康に関する知識を活かして、漢方や養生による体質改善方法をWeb等で発信している。
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