「生理前にニキビができやすく、肌荒れを繰り返してしまう」
「肌荒れしない体質を目指したい」
このようなお悩みをお持ちではありませんか?
生理前の肌荒れは、PMS(月経前症候群)のひとつです。
PMSの症状はホルモンバランスの乱れや生活習慣、ストレスなどが原因で起こるといわれます。そのため、生理前の肌荒れも、自分にあったセルフケアを続けることで、根本的に治していけるかもしれません。
そこで、今回は生理前の肌荒れの原因と予防・解決方法についてご紹介します。
1.なぜ生理前になると肌荒れが起こるの?生理前の肌荒れは、女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)の変動が関係しているといわれています。この章では、よくある肌トラブルとして
「ニキビ」「かさつき・炎症」の2つの症状別に、女性ホルモンの変動周期と肌トラブルとの関係をご紹介します。
1-1.ニキビ生理前のニキビは、主にプロゲステロン(黄体ホルモン)の変動が影響しているといわれています。
プロゲステロンは、妊娠の継続をサポートして女性のからだを守る働きがあり、排卵(生理の約14日前)から生理初日にかけて多く分泌されるホルモンです。
プロゲステロンは皮脂腺に作用するため、生理前にプロゲステロンが多く分泌されると、皮脂分泌が活発になります。そうすると、過剰に分泌された皮脂が毛穴に詰まりやすくなり、ニキビができやすくなるのです。
また、プロゲステロンが多く分泌されると、妊娠に備えて体内に栄養や水分がため込まれやすくなります。そのため、生理前は便中の水分が減って便が硬くなり、便秘になりやすい状態に。便秘は肌荒れにつながるため、結果、生理前はニキビができやすくなると考えられます。
1-2.かさつきや炎症生理前の肌のかさつきや炎症は、主にエストロゲン(卵胞ホルモン)の変動が影響しているといわれています。
エストロゲンは、肌の潤いを保つほか自律神経を安定させるはたらきがあるホルモンで、排卵(生理の約14日前)の後に分泌量がガクンと減少します。
エストロゲンは、皮膚の水分維持に大きく関わるセラミドやコラーゲン、ヒアルロン酸の合成を促し、肌のハリや潤いを保ちます。そのため、エストロゲンが減少すると、皮膚が乾燥し、かさつきやすくなるのです。
乾燥は皮膚のバリア機能を低下させるため、外部からの刺激に負けてかゆみや湿疹などの炎症が生じやすくなります。
2.生理前の肌荒れを改善する方法・習慣とは?生理前の肌荒れを改善・予防するためには、生活習慣を見直して外側からも内側からもセルフケアしていくことが大切です。まずは、外側から肌荒れにアプローチできるセルフケアを3つご紹介します。
2-1.スキンケアで乾燥を防ぐ生理前に起こるニキビ・炎症・かさつきなどの肌トラブルは、乾燥によって悪化してしまいます。まずは乾燥しないように対策しましょう。
以下のような方法で、普段から肌を清潔にし保湿していきましょう。
・長時間の入浴を避け、肌の乾燥を防ぐ・洗顔後や入浴後、5分以内に乳液や保湿クリームを塗る・乾燥する時期は、加湿器を使い湿度を保つ・紫外線対策をしっかりと行う化粧品や保湿剤、日焼け止めなどは、肌に合った刺激の少ないものを使い、こまめにケアすることが大切です。以下に、正しいスキンケアのポイントをご紹介します。
<正しいスキンケアのポイント>・クレンジング30~40秒で優しくのばし、時間をあまりかけずに落とします。目元、口元のポイントメイクは落ちにくいのでリムーバーで個別にケアしましょう。
・洗顔清潔な手で洗顔料を泡立て、リズミカルに優しくなでるように洗います。ゴシゴシ洗うのは禁物です。その後、清潔なタオルで優しくおさえるようにふき取ります。
・化粧水化粧水はたっぷりと使い、乾燥が気になる箇所には重ねてつけましょう。優しくハンドプレスして染みこませます。
・乳液、クリーム乳液、クリームの順に優しく塗りましょう。皮脂の分泌が多い人は乳液のみ、乾燥が気になる人は両方使いましょう。
2-2.毎日の入浴でからだを温める入浴は、全身の血流をよくするため、肌への血流も改善され肌トラブル緩和に役立ちます。加えて、ホルモンバランスを整える効果やストレスを緩和する効果も期待できます。
<おすすめの入浴方法>37~40℃のぬるま湯にゆっくりつかる方法がおすすめですが、時間のない方は足湯をするのもいいでしょう。全身浴なら15~20分、半身浴なら20~30分を目安に、就寝の1~2時間前に入浴することがおすすすめです。
2-3.アロマでストレス緩和生理前は女性ホルモンの影響でイライラしがち。ストレスは肌荒れの原因にもなります。
アロマでリラックスしてストレスを緩和していきましょう。
「嗅覚」は、脳にダイレクトに作用するといわれています。よい香りを嗅ぐことで、気持ちを安定させ、体内のバランスをコントロールすることができます。
<生理前のイライラを解消するアロマオイル>ラベンダー、ローズ、クラリセージ、ゼラニウム、ローマンカモミール
<アロマオイルの活用法>・お風呂に2~3滴垂らす・ティッシュやタオルに1~2滴垂らす・ぬるま湯を入れたマグカップに1~2滴垂らすただし、アロマオイルの入れすぎや長時間の吸入は避けましょう。もちろん、飲むのも禁物です。
まずは、好みの香りのアロマオイルを見つけ、日々の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
3.内側からのケアで生理前の肌荒れを改善生理前の肌荒れには、スキンケアなどの外側からのアプローチだけでなく、からだの内側からアプローチすることも大切です。からだの内側からケアすることで、肌荒れだけでなく生理前の不調改善にもつながります。
以下に、内側から肌荒れにアプローチできるセルフケアを3つご紹介します。
3-1.バランスのよい食事を心がける健やかな肌を保つためには、食事のバランスは大切です。生理前の肌荒れ対策には、とくにビタミンB・C・E、コラーゲン、ヒアルロン酸を積極的に摂るといいでしょう。
<栄養素ごとの効果とその栄養素が含まれる食材>ビタミンB2
皮膚の保護・再生・維持、疲労回復、口内炎予防
(レバー、納豆、干し椎茸、卵、牛乳など)
ビタミンB6
皮膚の抵抗力増進、免疫機能の維持
(かつお、まぐろ、レバー、五穀米、バナナなど)
ビタミンC
コラーゲンの合成、皮脂の分泌を調整、活性酸素を抑える、美白作用
(パプリカ、ブロッコリー、キウイ、柿、オレンジなど)
ビタミンE
血行改善、抗酸化作用、老化を遅らせる
(かぼちゃ、アボカド、アーモンド、オリーブオイルなど)
コラーゲン
皮膚の水分保持、美肌、血管を丈夫にする
(牛すじ、鶏肉、魚の皮、えび、フカヒレなど)
ヒアルロン酸
皮膚の水分保持、美肌、肌の弾力を維持
(ウナギ、フカヒレ、鶏の手羽・皮、スッポンなど) 3-2.低用量ピルを服用する
低用量ピルとは、女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンを合わせてできた錠剤です。
低用量ピルを服用することで女性ホルモンのバランスを一定に保つことができるため、ホルモンバランスの変動による肌荒れ改善に役立ちます。加えて、ホルモンバランスの乱れからくるイライラなどの不調の緩和も期待できます。
生理前の肌荒れに低用量ピルを用いる場合、肌荒れの改善に効果のある種類を選ぶ必要があります。まずは婦人科を受診して、ドクターに相談しましょう。
3-3.漢方で生理前の肌荒れ予防! 体質改善を目指す「セルフケアだけで生理前の不調を改善できるか不安」
「根本から肌荒れしにくい体質になりたい」
そんなお悩みをお持ちの方におすすめなのが、漢方薬です。漢方薬は根本的な体質に働きかけるため、ホルモンバランスや自律神経の乱れを整えられ、肌荒れしにくい体質を目指せます。
漢方薬は漢方医学で使われているお薬で、さまざまな症状への効果が認められており、皮膚科や婦人科での治療にも活用されています。自然由来の成分(生薬)を組み合わせて作られており、心とからだの両方のバランスの乱れをナチュラルに回復させます。
「健康的な生活習慣を毎日続けるのは大変……」という方でも、漢方薬なら自分の症状や体質に合うものを毎日飲むだけなので、気軽に続けられそうですね。
<生理前の肌荒れにおすすめの漢方薬>・黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
顔色が赤くのぼせ気味でイライラしやすい方からだにこもった熱を冷し、からだの熱や炎症をしずめる効果があります。のぼせやイライラにより、皮膚の炎症が悪化する方に適しています。
・荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)
皮膚の色が浅黒く、ときに手足の裏に脂汗をかきやすい方からだにこもった熱を冷まし、体表の膿を排出することで、ニキビなどの皮膚疾患のほか、慢性鼻炎などにも用いられます。
・桂枝茯苓丸加よく苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん)
肩がこりやすく冷えのぼせしやすい方血行をよくして熱のバランスを整え炎症をしずめます。また、気分を落ち着かせたり、余分な水分を取り除いたりするはたらきも期待できます。肌が乾燥しやすくニキビ跡が色素沈着しやすい方に向いています。
漢方薬を選ぶ時の重要なポイントは、ご自分の状態や体質に合っているか、という点です。うまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。
どの漢方薬が自分に合っているのかを見極めるためには、漢方に精通した薬剤師の力を借りるのがおすすめです。「あんしん漢方」などのオンライン漢方サービスに、一度相談してみるのもいいでしょう。
AI(人工知能)を活用した漢方のプロが、個人に効く漢方薬を見極めて自宅に郵送してくれる「オンライン個別相談」が便利です。
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4.生理前でも肌荒れ知らず! セルフケアを取り入れよう生理前の肌荒れは、女性ホルモンのバランスが影響します。顔は常に出ているところですし、生理に影響されずにキレイな状態を保ちたいですよね。
生理前の肌荒れには、保湿などのケアとともにホルモンバランスを整えることが大切。そのためにも、日頃から生活習慣を整え、ストレス緩和を意識していきましょう。
今回ご紹介したセルフケアを取り入れ、からだの外側からも内側からも対策していきましょう。
▼女性特有のお悩み関連記事 まとめ
https://lafarfa.jp/pages/detail/pms_womens-worries
<この記事を書いた人>あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 杉岡 弥幸北里大学で生薬学を学び、卒業後は大手漢方専門店にて漢方薬剤師として勤務。現在は自身のダイエット経験や健康に関する知識を活かして、漢方や養生による体質改善方法をWeb等で発信している。
●あんしん漢方(オンラインAI漢方):
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