【春のメンタルヘルスケア解説】不安や緊張をほぐしてココロも春らんまんに

2022.03.23

「最近、からだがだるくてやる気がわかない」
「夕方になるにつれて上半身が熱くなり、イライラしやすくなった」
このようなお悩みをお持ちではありませんか?

冬から春にかけて自然界が動き出す今の時期は「木の芽時」とも呼ばれ、自律神経が不安定になりやすいといわれています。

とくに、普段から気分の浮き沈みが激しい人や、人に気を遣いやすい人、真面目な人は、春のメンタル不調を起こしやすいため、からだの内側からケアをするといいでしょう。

そこで今回は、春にメンタル不調が生じやすくなる理由や、おすすめのメンタルヘルスケアをご紹介します。



 1.春はメンタルが不安定になりやすい時期!

冬から春にかけて、メンタルが不安定になりやすいのはなぜでしょうか。

それは、激しい気温変化や別れや出会いなどの環境変化に対して、からだや心がついていけず自律神経が乱れることが原因です。以下に詳しくご説明します。


 1-1.自律神経が乱れやすい時期

春は、1年のうちでもとくに寒暖差が激しく、それとともに気圧変動も大きい季節です。気温変動や気圧変動によって自律神経が乱れると、メンタル不調を招きやすいといわれています。

自律神経系には、活動時に活発になる交感神経と、睡眠時やリラックス時に活発になる副交感神経の2つがあります。

これらは司令塔の役割を担う神経で、バランスよくはたらくことで全身の臓器や筋肉のはたらきを調節しているのです。また、気温変化に順応して血流や発汗を調節し、体温を一定に保つはたらきもあります。

気温が高くなると、体内から熱を逃がすために発汗させようと「副交感神経」が優位になり、反対に気温が低くなると、体内の熱を外に逃がさないために末梢での血流を低下させようと「交感神経」が優位となります。

このように、自律神経は気温変化に応じて体温をコントロールしているため、1日のなかで寒暖差が激しくなると、交感神経と副交感神経のスイッチの入れ替えがうまくいかず、自律神経が乱れてしまうのです。

また、気圧変動が激しいと、耳の奥にある内耳がそれを敏感に感知し、脳に情報を伝達します。そうすると、自律神経はストレス反応を起こし、交感神経が興奮状態になってしまうのです。

上記のように、気温や気圧の変動により交感神経が高ぶると、神経細胞内に活性酸素が大量に発生します。その結果、細胞にダメージが与えられ、これが疲労などのメンタル不調につながってしまうのです。


 1-2.生活環境に変化がある時期

生活環境の変化はストレスになりやすく、自律神経の乱れやメンタル不調につながります。

春は、入学や就職、異動、転勤、引っ越しなど環境が大きく変わるイベントの多い時期でもあります。

生活環境に変化が起こると、この変化に順応しようと自然とからだや心に負担がかかります。この負担がストレスとなっていくのです。

ストレスは、悪い出来事によって生じると思われがちですが、いい出来事や季節の変化すらも、知らないうちにストレスとなり、エネルギーを消耗させていることが多いのです。

つまり、新しい環境に身を置くことは楽しみな反面ストレスにもなるといえます。

ましてや、これに新型コロナウイルスの騒ぎが加わり、思うように生活できず、いつも以上に何かしらのストレスを感じることが増えるかもしれません。

ストレスを感じることは、自律神経の乱れにつながりメンタル不調を引き起こします。また、食生活の乱れや睡眠不足が重なると、ストレスの悪循環を引き起こすため注意が必要です。




 2.春のメンタルヘルスケア

メンタル不調には、日頃からメンタルヘルスケアを取り入れることがおすすめです。

どのように不安を抑え、気持ちを切り替えるかは人によって異なるはず。自分に合った方法を見つけてメンタルヘルスケアをしていきましょう。


 2-1.アロマの香りでリラックス

「嗅覚」は、脳にダイレクトに作用するといわれています。いい香りを嗅ぐことで、気持ちを安定させ、リラックスすることができるでしょう。以下に、おすすめのアロマオイルと活用法をご紹介します。

リラックス効果が期待できるアロマオイル:ラベンダー、ローズ、クラリセージ、ゼラニウム、ローマンカモミール

<活用法>
・お風呂に2~3滴垂らす
・ティッシュやタオルに1~2滴垂らす
・ぬるま湯を入れたマグカップに1~2滴垂らして香りを楽しむ

※アロマオイルは、入れすぎない・長時間の吸入はしない・飲用しない、など、注意点を守り使用しましょう。

リラックスして良質な睡眠を得るために、好みの香りのアロマオイルを見つけ、日々の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。


 2-2.マインドフルネスで瞑想

マインドフルネスとは、「今、この瞬間を大切にする生き方」を指し、これを実践することでメンタルを安定させ、ストレスの軽減や集中力の強化などの効果が期待できます。

マインドフルネスでは、自分の今の状態を観察し、その状態がどのようなものであっても評価や判断をせず、完全に受け入れる気持ちが大切とされています。

マインドフルネス瞑想では5分間集中し、今の自分の思考や自分自身と向き合います。そして、今ここに自分が存在することを意識します。それができるようになると、そのときの自分の状態や、自分が自分であることが心地よく感じられるのです。

マインドフルネスの呼吸法は、息を吸うときにお腹を膨らませ、息を吐くときにお腹をへこませる「腹式呼吸」を意識します。難しい場合は自然な鼻呼吸を心がけ、ちゃんとできているか不安に感じたときは、呼吸に意識を戻しましょう。

また、瞑想をする場所は自由で、リラックスしやすい場所・気が散りにくい場所で行うのがおすすめです。慣れてきたら、電車のなかやデスクワーク中などの隙間時間に実践してみましょう。


 2-3.適度な運動 ~グリーン・エクササイズ~

グリーン・エクササイズとは、「自然のなかで深呼吸や運動などを行う屋外でのエクササイズ」のことを指します。

緑豊かな自然の空気に触れると、副交感神経が優位になり心身ともにリラックスできます。また、ある調査では、自然のなかでからだを動かすと開始5分で気持ちが前向きになるという結果も報告されています。

そのため、グリーン・エクササイズは良質な睡眠やストレス軽減、免疫力アップなど、健康増進に効果的で、メンタル不調の改善が期待できます。

グリーン・エクササイズは、軽い運動でも効果が高く即効性があるので、運動が苦手な人でも気軽に始められますね。

公園や緑の多い場所、通勤途中の自然を見つけ、まずはウォーキングから始めましょう。

また、プールや海、川など水のある環境で行うと、より高い効果を発揮するといわれています。お休みの日に、気分転換として始めてみてもいいですね。




 3.春のメンタルは内側からのケアも重要

メンタル不調が出にくい心身を作るには、口にするものやからだに入れるものにも意識を向けることが大切です。食生活を見直して、自分に足りていないものを取り入れていきましょう。

 3-1.旬の食材を食べる

「春の皿には苦みを盛れ」といわれるように、春の食事には春の食材を積極的に取り入れることがおすすめです。

春は、冬の間に土のなかで眠っていた種が次々と芽吹き、山菜や野草などがおいしくなる季節です。これらのような苦みのあるものを食べることで、冬の間に体内にたまった老廃物を排出し、ビタミンやミネラルを摂り入れることができます。

旬の野菜や果物、魚介類は、味がいいだけでなく栄養素が豊富で、ビタミンやミネラルの含有量が1.5〜2倍違うものもあるといわれています。

また、春野菜には、葉緑素やカロテノイドなど抗酸化作用のある色素が多く含まれているため、酸化ストレスを抑え心身共に丈夫なからだ作りに役立つのです。

以下に、春が旬の食材を示します。

<春が旬の食材>
・キャベツ
・アスパラ
・タケノコ
・ジャガイモ
・いちご
・アサリ
・シジミ
・ワカメ
・サワラ


 3-2.春の不調は漢方でケア

「イライラや落ち込みを根本から改善したい」
「手軽に気分を安定させたい」
そんな要望に応えてくれるのが、心療内科などの治療でも使われている自然由来の漢方薬です。

漢方薬のなかには、精神を安定させ、神経の高ぶりやイライラを抑えたり、気分の落ち込みを改善するものもあります。

漢方薬は、症状を抑える作用だけでなく、症状を引き起こしている原因に対してもアプローチします。根本的な体質改善が期待できるため、季節の変わり目の不調やメンタルヘルスの改善にもおすすめです。

また、漢方薬は一般的には西洋薬よりも副作用が少ないといわれています。

さらに、バランスの取れた食事や運動を毎日続けるのが難しい場合でも、漢方薬を使った体質改善なら、自分の症状や体質に合うものを毎日飲むだけなので、無理なく続けることができます。

早速試してみたいと思った方のために、「メンタル不調」によく使われる漢方薬をご紹介しましょう。


<メンタルを安定させたい方におすすめの漢方薬>

・加味逍遙散(かみしょうようさん)
疲れやすく、冷えのぼせが気になる方
自律神経を整え、血(けつ)の巡りを改善します。神経の高ぶりや抑うつだけでなく、肩こり・のぼせ・冷えなどにも効果があり、メンタル不調の改善が期待できます。

・抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)
ストレスの発散がうまくできず、緊張すると腹痛や頭痛が起こりやすい方

からだの上へ昇った気を静め、自律神経を整えます。また、胃腸を整えるはたらきもあるため、胃腸の弱い方でも服用しやすい漢方薬です。

ただ、からだにやさしい漢方薬とはいえ、自分の体質に合っていなければ、良い効果が見込めないだけでなく、からだへのダメージを与える場合もあります。

自分に合う漢方薬を見つけるためにも、購入時には、できる限り漢方に詳しい医師、薬剤師にご相談ください。

お手頃価格で不調を改善したい、という方にはスマホで気軽に薬剤師に相談できる「あんしん漢方」のような新しいサービスもおすすめです。AIと漢方のプロが、効く漢方を見極めて、お手頃価格で自宅に郵送してくれる「オンライン個別相談」が話題です。

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 4.心身のバランスを整えて、春を快適に過ごそう

冬から春にかけて、気温や気圧、生活環境が変化するこの時期は、とくにメンタル不調がでやすいといわれています。

「メンタル不調の原因は、季節の変わり目だから」ということを理解するだけで、「なぜ不調がでるのだろう」といった不安を取り除くことができます。

そして、余裕を持ってケアしてあげることで、春に向けて心身共にバランスを整えることができるでしょう。

ぜひ、今回ご紹介したメンタルヘルスケアや食材、漢方薬を、できるところから取り入れてみてくださいね。


▼女性特有のお悩み関連記事 まとめ
女性特有のお悩み関連記事 まとめ
https://lafarfa.jp/pages/detail/pms_womens-worries



<この記事を書いた人>

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 杉岡 弥幸
薬剤師。北里大学で生薬学を学び、卒業後は大手漢方専門店にて漢方薬剤師として勤務。現在は自身のダイエット経験や健康に関する知識を活かして、漢方や養生による体質改善方法をWeb等で発信。
漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選びお手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」でも情報発信をしている。

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