【薬剤師監修】ホルモンバランス診断でイライラ・ニキビ……不調の原因を特定!

2022.04.06

「最近、ちょっとしたことでも不安になる」
「食事には気をつけているのに、ニキビができやすくなった」

そんなお悩みをお持ちではありませんか?

テスト前や大事な会議前などの緊張や不安、少しの睡眠不足でも、ホルモンバランスが乱れる要因となります。とくに女性は、女性ホルモンのバランスに波があるため、さまざまな不調がでやすいといわれています。

そこで今回は、皆さんの気になる不調が「ホルモンバランスの乱れ」で生じているかどうかを解説し、ホルモンバランスを整えるセルフケアをご紹介します。



 1.その不調「ホルモンバランスの乱れ」が原因かも?

ホルモンバランスの乱れは、なんとなく調子が悪い状態である「不定愁訴(ふていしゅうそ)」として多様な症状を引き起こします。とくに女性は、ちょっとしたホルモンバランスの乱れでも、多様な心身の不調につながるといわれています。

気になる不調をセルフチェックして、原因を理解していきましょう。


 1-1.ホルモンバランスの乱れをセルフチェック!

ホルモンバランスの乱れによる不調は多様な症状を引き起こしますが、期間や頻度は人それぞれです。ひとつの症状が長く続く人もいれば、いくつもの症状が不定期にあらわれる人もいます。

まずは、自分の不調が「ホルモンバランスの乱れ」によるものなのかをチェックしていきましょう。

〈ホルモンバランスの乱れによる不調〉
・無性にイライラする
・なんでもないことで泣いてしまう
・集中力が続かず、家事や仕事がはかどらない
・ニキビができやすい
・肌がかさつき、炎症が起こりやすい
・胸が張る
・からだが重だるく、むくみが気になる
・食欲不振もしくは、食欲がわきたくさん食べてしまう
・頭痛、腹痛、腰痛
・生理周期がバラバラ
・月経前症候群(PMS)

このように、ホルモンバランスが乱れるとさまざまな不調が生じます。とくに女性は、月経や妊娠、閉経などのイベントがあるため、ホルモンバランスが乱れやすく心身ともに不調がでやすいのです。

これらの不調を改善するための第一歩として、原因を理解しておくとよいでしょう。「なぜ不調がでるのか?」というモヤモヤが解消され、症状に合わせた対策ができます。


 1-2.なぜホルモンバランスが乱れるの?

ホルモンバランスが乱れる原因には、疲れやストレス、不摂生な食事、不規則な生活があげられます。とくに女性は、ライフステージによって女性ホルモンの分泌量が変化するため、年代やタイミング(月経、妊娠、閉経などの期間)によってホルモンバランスが乱れやすいといわれています。

以下に、ホルモンバランスが乱れる原因を詳しく示します。

〈ホルモンバランスが乱れる原因〉
・疲れ、ストレス
精神的疲労によりストレスが蓄積すると、からだの疲労とは別に大量の活性酸素が産生され、自律神経が酸化ストレスにさらされます。
そうすると、自律神経のバランスが崩れてホルモンバランスの乱れにつながります。これは、ホルモン分泌を指示する脳の部位と、自律神経をコントロールする脳の部位が近いためといわれています。

・不摂生な食事
偏った食生活や添加物・冷たい飲食物の摂りすぎは、ホルモンバランスの乱れにつながります。
偏った食生活をしていると、からだに十分な栄養素を送れず、正常にホルモンを作り出せなくなってしまいます。とくに、良質な脂質やミネラルはホルモンの材料となるため、バランスのいい食事をしなければホルモンが作られず、ホルモンバランスに乱れが生じます。

食品添加物や人工甘味料が多く含まれているものの摂りすぎは、体内のミネラルを奪い、ホルモンを作り出す力を低下させるため注意が必要です。
また、冷たい飲食物の摂りすぎは胃腸を冷やすため、自律神経に支障をきたし、結果としてホルモンバランスが乱れてしまいます。

・不規則な生活
不規則な生活を続けているとからだに負担が大きくかかり、ホルモンを十分に作り出す力が弱くなります。とくに睡眠不足は、女性ホルモンのひとつ「エストロゲン」の分泌量を低下させます。結果、女性ホルモンが乱れやすくなってさまざまな不調が引き起こされるのです。


上記のように、ホルモンバランスが乱れる原因は幅広くあげられ、ささいなことでも不調が生じてしまいます。

ホルモンをバランスよく分泌するためには、脳や神経から正しい指令が出されるように、日頃から生活習慣を整えることが大切です。




 2.ホルモンバランスを整える生活習慣

前述のとおり、ホルモンバランスを整えるためには生活習慣を整えることが大切です。自分に合った方法を取り入れて、不調になりにくいからだ作りをしていきましょう。


 2-1.猫のポーズ

「猫のポーズ」は、背中を丸めたり反ったりする動きで、背骨の緊張をとるポーズです。背骨や肩甲骨まわりを柔軟に動かすことで血液の巡りが改善され、自律神経やホルモンバランスを整える効果が期待できます。

<猫のポーズのやり方>
1. 肩の下に手、お尻の下にひざがくるように、四つん這いになります。
2. 息を吐きながら背中を丸めていきます。目でおへそを見ることを意識しましょう。
3. 息を吸いながらゆっくりと背中を反らせます。目線は天井に向け、お尻を上に突き出すイメージで行いましょう。

1〜3の流れを10回続けましょう。


 2-2.入浴で、からだも心もリラックスモードにする

入浴は、血行を促してからだの循環をよくするため、心身をリラックスモードへ導き、自律神経やホルモンバランスを整える効果が期待できます。

ホルモン分泌を指示しているのは「脳」なので、脳のオンオフをうまく切り替えることで、ホルモンバランスを整えることができるでしょう。

入浴は寝る2〜3時間前にし、37〜40度の少しぬるめの湯船にゆったりつかりましょう。全身浴なら15〜20分、半身浴なら20〜30分の入浴時間が目安です。

湯船にアロマオイルを数滴垂らし、気分をリフレッシュするのもおすすめです。適切な入浴法で、ホルモンバランスを整えていきましょう。また、入浴は疲労回復や良質な睡眠にもつながります。




 3.ホルモンバランスを整える食べ物&飲み物

女性は、月経や妊娠、閉経などの期間に女性ホルモンのバランスが乱れやすく、不調がでやすいといわれています。ここでは、原因からアプローチした、女性ホルモンのバランスを整える食べ物や飲み物をご紹介します。

からだに取り入れるものにも気を配ることで、より快適な暮らしができるでしょう。

 3-1.女性ホルモンのような作用を持つ「大豆製品」を摂る

女性ホルモンのバランスが乱れることで生じる不調は、エストロゲンの低下により引き起こされるといわれています。そのため、エストロゲンに似た作用を持つ「大豆」を取り入れることで、不調の緩和が期待できます。

大豆に含まれるイソフラボンの一種は、腸内細菌の力を借りることでエクオールとよばれる物質に変化します。エクオールには抗酸化作用による若返りや乳がん防止など、さまざまな働きがあります。

大豆には女性にうれしい働きがたくさん詰まっているので、意識して摂るといいでしょう。

(例)豆乳、納豆、豆腐


 3-2.ミネラルを適度に摂る

ミネラルはホルモンの材料といわれています。適度に取り入れて、ホルモンバランスを整えていきましょう。

(例)桜えび、煮干し、わかめ、ひじき、切り干し大根、アーモンド、牛乳、牡蛎


 3-3.「イミダペプチド」と「クエン酸」で疲労回復

ホルモンバランスの乱れの原因である「疲労」を解消させるために取り入れたい成分は、「イミダペプチド」と「クエン酸」です。

・イミダペプチド
抗酸化作用を持ち、活性酸素による酸化ストレスを軽減する効果が期待できます。1日あたり200mg摂り続けることで抗疲労効果を発揮するといわれています。

(例)鶏の胸肉、マグロ、カツオ

・クエン酸
からだのエネルギー生成や疲労回復に重要な働きをしている成分です。

(例)レモン、グレーププルーツ、梅干し、酢




 4.ホルモンバランスの悩みには漢方も人気

女性特有の悩み、ホルモンからくる慢性的な不調には漢方薬が多く使われています。

「食事や入浴など気を使っているのに、むくみや頭痛が続いてつらい......」
「ホルモンバランスを根本から見直したい......」

そんなお悩みをお持ちの方におすすめなのが、漢方薬です。

漢方薬は、女性ならではの不調に対する治療薬として婦人科のほか、内分泌内科などでも幅広く使われているお薬です。心とからだ全体のバランスの乱れを回復させ、根本的な体質から改善することを目的としているので、ホルモンバランスの乱れによるさまざまな不調が同時に改善されることも特徴です。

「肝腎(かんじん)かなめ」という言葉があるように、漢方では、ホルモンの分泌を「指示だし」しているところを「肝」、五臓の根源でありホルモン系に関与しているところを「腎」と考えています。そのため、これらの臓腑が充実していないと、ホルモンバランスの乱れが生じるといわれています。

つまり、肝や腎をのびのびと充実させることで、ホルモンバランスが整いやすくなり、不調がでにくいからだ作りができるのです。

また、自然の植物や鉱物を用いた生薬を組み合わせているため、一般的には西洋薬よりも副作用が少ないといわれており、体質に合っていれば高い効果を得られます。

「健康的な食事や運動を毎日続けるのは大変……」という方でも、漢方薬を使った体質改善なら、自分の症状や体質に合うものを毎日飲むだけなので、気軽に続けることができます。

日々の生活のなかで、お悩みの症状改善に漢方医学を取り入れてみてはいかがでしょうか。


<ホルモンバランスを整えたい方におすすめの漢方薬>

・六味丸(ろくみがん)
疲れると手足がほてりやすい方
余分な熱を取り除き、水分代謝を促します。また、腎(泌尿生殖器)の働きを高めて元気や精力をつけ、アンチエイジングの手助けにもなる漢方薬です。

・加味逍遙散(かみしょうようさん)
疲れやすく、肩こりやイライラを生じやすい方

血の生成や巡りを整えることで、自律神経の乱れやホルモンバランスを整えます。ホルモンバランスの乱れによるメンタル不調や不眠、生理痛に用いられることが多いです。


漢方薬は自分の体質に合っていなければ、いい効果が見込めないだけでなく副作用が起こることもあります。自分に合う漢方薬を見つけるためにも、購入時には、できる限り漢方に詳しい医師や薬剤師等にご相談ください。

「お手頃価格で不調を改善したい」という方には、スマホで気軽に薬剤師に相談できる「あんしん漢方」のような新しいサービスもおすすめです。AIと漢方のプロが効く漢方を見極めて、お手頃価格で自宅に郵送してくれる「オンライン個別相談」が話題です。

●あんしん漢方:https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=22z33zc0lafa0046




 5.ホルモンバランスを整えて快適な生活を送ろう

今まで気になっていた「なんとなく調子が悪い状態」の原因が、「ホルモンバランスの乱れ」かどうか、チェックできましたか?

ホルモンバランスの乱れは、さまざまな不調を引き起こします。また、「なぜこのような不調がでるのだろう」というような疑問や不安は、ストレスにもなり悪循環となります。

不調の原因を理解して、自分に合ったセルフケアを取り入れることで、ホルモンバランスが乱れにくいからだを手に入れることができるでしょう。日頃からホルモンバランスを整えて、快適な生活を送っていきましょう。




▼女性特有のお悩み関連記事 まとめ
女性特有のお悩み関連記事 まとめ
https://lafarfa.jp/pages/detail/pms_womens-worries



<この記事を書いた人>

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 杉岡 弥幸
薬剤師。北里大学で生薬学を学び、卒業後は大手漢方専門店にて漢方薬剤師として勤務。現在は自身のダイエット経験や健康に関する知識を活かして、漢方や養生による体質改善方法をWeb等で発信。
漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選びお手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」でも情報発信をしている。

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