生理前のジャンクフード過食を断つ! PMSがつらい人必見の予防法

2022.06.03

「生理前に食欲のコントロールができず、つい食べ過ぎてしまう」
「ダイエットをしていても、PMSによる過食でなかなか体重を落とせない」
そんなお悩みをお持ちではありませんか?

生理前の過食は「PMS(月経前症候群)」のひとつです。症状自体は女性の50〜80%に起こり、とくに20〜40代の女性に多いといわれています。

ずっと綺麗でありたいと願う女性にとって、生理前の食べ過ぎはいますぐ改善したい問題ですよね。

そこで今回は、生理前に食べ過ぎてしまう原因と予防法、おすすめの漢方薬をご紹介します。



 1.生理前にジャンクフードを食べ過ぎてしまうのはなぜ?
生理前にジャンクフードを食べ過ぎてしまうのはなぜ?
生理前についつい食べ過ぎてしまう原因は、女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)やコルチゾールにあります。

まず、女性らしさを保つホルモン「エストロゲン」は、排卵(月経の約14日前)の後にガクンと減少します。それによって、脳内で働く神経伝達物質の作用が低下し、感情のコントロールが難しくなり、無性にイライラしたり食欲が抑えられなくなったりしてしまうのです。

妊娠を助けるホルモン「プロゲステロン」は、排卵後から月経にかけて多く分泌されます。プロゲステロンは基礎体温を上げ、水分をため込む働きをもつため、ほてりやむくみ、便秘などが起こります。これらの身体症状がストレスになり、イライラや過食につながると考えられています。

また、排卵期にはコルチゾールというストレスホルモンの分泌量が多くなるといわれており、それに伴って食欲を抑えるセロトニンの分泌量が減少します。その結果、食欲を抑えられず食べてしまい、体重増加につながるのです。

ジャンクフードをはじめとした、脂っこい食べ物などのドカ食いは消化器系の負担が大きいため、代謝の低下にもつながるため注意が必要です。




 2. 普段のストレスや栄養不足がPMSを悪化させることも
普段のストレスや栄養不足がPMSを悪化させることも
生理前に食べ過ぎてしまう原因には、ホルモンバランスの乱れだけでなく、日常生活のストレスや不摂生も考えられます。

PMSの過食は、心とからだのSOSとも捉えられます。日頃の無理なダイエットがストレスとして蓄積されると、心の栄養が足りていない状態になってしまうのです。

そして、ファスティングで月経に必要なエネルギーや血液が不足しているため、からだがSOSを出します。月経前になると脳からしっかり食べるように指令が出され、食欲がさらに抑えられなくなるのです。

また、ストレスや栄養不足は、味を感じとる味蕾の感度を低下させます。無意識のうちに濃い味付けのものを好むようになり、いつも以上においしさを感じて食べる量が増える、といったことも起きかねません。

チョコレートを使ったある研究で、ストレスによる味覚の変化を見るテスト結果によると、

『チョコレートのおいしさは苦いチョコレートであるにもかかわらず, ストレスを受けたことによりおいしさが増加する方向に変化することが認められた。』(※1)

とあります。これは、ストレスを受けたことにより苦みよりも甘みを感じやすくなったためです。おいしさを感じると、いつも以上に食べてしまいますよね。

そのため、日頃の生活習慣を見直して、過食の原因を理解し予防することが大切です。





 
3. ジャンクフードの過食を予防するには?

普段のストレスや栄養不足がPMSを悪化させることも
生理前の食欲を軽減するには、ストレスに対する許容を広げるための運動やストレッチ、食生活を整えることが大切です。

以下では、生理前の過食予防におすすめの食事や飲み物を3項目に分けてご紹介します。


 3-1.食欲を抑える「セロトニン」を増やす食事

セロトニンを飲食物から取り入れるためには、セロトニンの材料である「トリプトファン」が必要です。トリプトファンは体内で生成できないため、飲食物からの摂取が必須になります。

トリプトファンを多く含むものを積極的に摂り、からだの内側からセロトニンを増やしていきましょう。

(例)豆腐・納豆などの大豆製品、チーズ・ヨーグルトなどの乳製品、そば、植物性タンパク質、牛乳・豆乳、飲むヨーグルト、ココア


 3-2.イライラ緩和で生理前の食欲を抑える食事

PMSのイライラによる過食予防には、「大豆」がおすすめです。

イライラは、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンの低下により引き起こされます。そのため、エストロゲンに似た作用をもつ大豆を取り入れることで、PMSのイライラを抑制できるといわれています。また、大豆製品を積極的に摂ることで、イライラの緩和以外に抗酸化作用による若返りや乳がん防止などの効果も期待できるでしょう。

漢方医学では、イライラは気が滞ることで引き起こされると考えられています。気を巡らせる食べ物には、セロリ、シソ、ミカン、大根、キクラゲ、そばなどがあげられます。


 3-3.ハーブティーでリラックス

ハーブティーには、香りの効果と飲むことによる薬理効果があります。

バランスを整えイライラを解消するハーブティーは、カモミール、チェストツリー、セントジョーンズワート、サフラワー、ジャスミン、ラズベリーリーフがあげられます。ぜひ、お好みのハーブティーを探してみてください。

これらの食材を日々の食生活に取り入れて、バランスのよい食事を心がけましょう。




 4.PMSの改善には漢方もおすすめ!
PMSの改善には漢方もおすすめ!
「生理前にイライラしやすく、どうしても食に走ってしまう......」
そんなお悩みをお持ちの方におすすめなのが、漢方薬です。

漢方薬は、根本的な体質改善で、生理前の過食などPMS症状へアプローチすることを得意としています。

また、漢方医学で使われている漢方薬は、さまざまな症状への効果が認められており、婦人科では自然由来の治療薬として活用されています。一般的には西洋薬よりも副作用が少ないといわれており、体質に合っていれば高い効果を得られるでしょう。

PMSの症状に対しては、イライラや落ち込みなどを抑える鎮静・中枢抑制作用や、腰の痛みや腹痛などを抑える鎮痛作用のある生薬を含む漢方薬が選ばれます。

さらに、血流改善によって体中に酸素と栄養が運ばれることで美肌効果が期待できるほか、便通の改善や利尿作用によって脂肪や老廃物が排出されるなど、心とからだを整えることもできます。

漢方薬が得意なのは、もともとからだに備わっている「内なる治癒力」を高めることです。体質を変え、根本改善をすることにより、いまよりも健康な状態を目指せるのです。毎日続けて服用することで、長年、悩み続けてきた症状がすっかり消えてしまった! という日がやってくるはずですよ。

また、「健康的な食事や運動を毎日続けるのは大変……」という方でも、漢方薬を使った体質改善なら、自分の症状や体質に合うものを毎日飲むだけなので、気軽に続けることができます。

日々の生活のなかで、お悩みの症状を改善するために漢方医学を取り入れてみてはいかがでしょうか。


<生理前の過食抑制におすすめの漢方薬>

・抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)
やや胃腸が弱く、怒りやすい、イライラしやすい方に。自律神経の乱れを整えるほか、イライラや不眠、女性ホルモンの変動に伴う心やからだの不調に使われます。胃腸の弱い方にもお使いいただける漢方薬です。

・加味逍遙散(かみしょうようさん)
のぼせ感があり、疲れやすく、肩がこり、イライラを生じやすい、便秘傾向のある方に。血液の生成や巡りを整えるほか、自律神経の乱れやホルモンバランスを整えます。生理中のメンタル不調による不眠や生理痛に用いられます。

・大柴胡湯(だいさいことう)

ストレスで食欲が増してしまう、便通が悪くがっちりした体型の方、疲れやすく、足腰が冷えやすい方に。気の巡りを促してストレスを低減させ、便通も改善します。からだの余分な熱を取り除き、肝の働きをよくして、脂質代謝を改善します。高血圧や肥満に伴う肩こり・頭痛にも使用できます。


漢方薬は自分の体質に合っていなければ、いい効果が見込めないだけでなく副作用が起こることもあります。自分に合う漢方薬を見つけるためにも、購入時には、できる限り漢方に詳しい医師、薬剤師等にご相談ください。

「お手頃価格で不調を改善したい」という方には、スマホで気軽に薬剤師に相談できる「あんしん漢方」のような新しいサービスもおすすめです。AIと漢方のプロが効く漢方を見極めて、お手頃価格で自宅に郵送してくれる「オンライン個別相談」が話題です。

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5.生理前の過食(PMS)を理解して対策しよう

 5. 生理前の過食(PMS)を理解して対策しよう
生理前に過食しがちな人は、日頃から何かを我慢していたり、人に気を遣っていたりとストレスを抱えていることが多く見られます。

「何に対してストレスを感じているのか」「どういうときに過食したくなるのか」など、自分の過食の原因を理解しましょう。

また、自分に合ったセルフケアを行うことで、生理前でもイライラしにくい体質に変わるほか、普段のストレス過食を減らすことができるでしょう。

日頃のセルフケアや漢方でPMS症状を解消し、健康的なからだを目指しましょう!


(引用文献)
(※1)日本官能評価学会誌 1 巻 (1997) 1 号 中川正・乾隆子著「ストレス状態における味の感受性」J-STAGE
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsse/1/1/1_18/_html/-char/ja




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<この記事を書いた人>
管理栄養士 池田明日香
あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 杉岡 弥幸
薬剤師。北里大学で生薬学を学び、卒業後は大手漢方専門店にて漢方薬剤師として勤務。現在は自身のダイエット経験や健康に関する知識を活かして、漢方や養生による体質改善方法をWeb等で発信。
漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選びお手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」でも情報発信をしている。

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