暑さで汗をたくさんかく夏は、熱中症予防・健康維持のために水分補給がとても大切です。しかし、水分補給には注意すべきポイントがたくさんあることをご存じでしょうか。
間違えた方法で水分補給をしていると、からだに悪影響を及ぼすこともあります。今回は、夏の健康を守るための正しい水分補給についてご紹介します。
1.夏の水分補給のキホン夏の水分補給において「これだけはつかんでおきたい」という基本的なポイントについて説明します。(※1)
1-1. 1日の水分摂取量の目安は?一般的には、毎日1.2〜2Lの水を飲むことが推奨されています。健康な成人においては、1日あたり体重1kgにつき約35mlの水が必要だといわれています。
ただし、一度に大量の水分を摂取しても体内に吸収される量は限られているので、1日のなかで何度かに分けて水分を補給することが大切です。1回あたり100〜150mlの水分をこまめに摂取するのがおすすめです。
1-2. 水分補給のタイミングは?こまめに水分を摂取することが大切と先ほど説明しましたが、意識して水分を摂取したいタイミングは、起床時・就寝前・食事中・運動中や運動前後・入浴前後です。
1-3. 喉が渇く前に飲む喉の渇きは、脳の視床下部にある口渇中枢の指令で自覚します。また、口渇中枢の指令で喉の渇きを自覚したときは、すでにからだが脱水状態になりつつあります。
そのため、脱水状態を防ぐには、渇きを感じる前に水分をしっかり摂取しておくことが大切です。
2.実は誤解しているかも? 正しい水分摂取のポイントインターネットでは、水分補給に関するさまざまな情報が交錯しているため、間違った情報や誤解も多いのが現状です。そこで、簡単に理解できる正しい水分摂取のポイントを説明します。
2-1.水分の種類に注意するカフェインやアルコールを含む飲み物は、水分補給に適していません。これらの成分には利尿作用があるため、飲んでも尿として排出されてしまうからです。脱水状態になる可能性もあるため、飲みすぎないようにしてください。
また、糖分が多いジュース類も、肥満や生活習慣病につながるおそれがあります。たまに飲むのは問題ありませんが、水分補給として大量に摂取するのはおすすめできません。
水分は、水や麦茶などから摂ることをおすすめします。
2-2.常温がベスト夏は、冷えた飲み物がおいしい季節ですが、冷たすぎる飲み物は胃や腸などの内臓のほか、からだを冷やすため負担が大きいです。
常温の水はからだに負担がかからず、正常な働きを保ち、体内を巡りのいい状態に整えてくれます。
2-3.水分の摂りすぎもNG水分を摂りすぎると血液が薄まり、生命活動において必要不可欠な電解質が足りなくなるおそれがあります。
また、東洋医学では、からだに余分な水分が溜まるために起こる不調を水毒と呼びます。水毒になると、代謝や血行が悪くなってからだが冷え、心身にさまざまな不調をきたしてしまうのです。
夏は積極的に水分補給をする必要がありますが、1日の水分摂取量の目安を逸脱しすぎないように注意しましょう。
3.夏の健康維持には漢方もおすすめ夏バテや熱中症を防ぐには、体内の水分循環をよくすることが重要です。そこで、夏の健康維持のためには、巡りをよくすることにフォーカスしている漢方薬がおすすめです。
熱中症に対しては、
・体内の水分を巡らせ、こもった熱を冷やす。・皮膚を引き締めることで、無駄な発汗を抑える。・食欲を取り戻し、消化・吸収を上げて体力を向上させる。などの働きがある漢方薬を選びます。
また、胃腸機能を高めて血液を増やすとともに栄養を全身に届け、暑さで消耗した体力を回復させるなど、夏バテに強いからだ作りもサポートします。
さらに、漢方薬は自然由来の生薬で構成されているため、西洋医学の医薬品と比べて副作用の心配が少なく、安全性も高いことが特徴です。
<夏の健康維持におすすめの漢方薬>・清暑益気湯(せいしょえっきとう)夏に胃腸機能が落ちやすい方に。体内の水分バランスを調整する働きがあります。夏バテによる食欲不振・倦怠感・下痢などの症状を改善します。
・補中益気湯(ほちゅうえっきとう)体力が虚弱で疲れやすい方に。胃腸の働きを強め、体力を回復し、元気を与える働きがあります。
漢方薬は自分の体質に合っていなければ、よい効果が見込めないだけでなく副作用が起こることもあります。自分に合う漢方薬を見つけるためにも、購入時には、できる限り漢方に詳しい医師、薬剤師等にご相談ください。
「お手頃価格で不調を改善したい」という方には、スマホで気軽に薬剤師に相談できる「あんしん漢方」のような新しいサービスもおすすめです。AIと漢方のプロが効く漢方を見極めて、お手頃価格で自宅に郵送してくれる「オンライン個別相談」が話題です。
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4.正しい水分補給で酷暑を乗り切ろう今年の夏は酷暑だといわれています。健康を維持したまま夏を乗り切るには、正しい水分補給をすることがとても大切です。
今回ご紹介した水分補給のポイントを意識しながら、夏を元気に楽しみましょう。
参照:
(※1)「熱中症環境保健マニュアル 2022」環境省
https://www.wbgt.env.go.jp/heatillness_manual.php
<この記事を書いた人>薬剤師 浅田麻希2009年に薬剤師免許を取得。有名皮膚科クリニックで研修を受けたのち、門前薬局で勤務。また、漢方専門病院にて漢方医師の指導を受けながら東洋医学の知識を深める。漢方でダイエット・妊活成功の経験あり。
現在は健康・美容や東洋医学に関する知識を活かし、薬剤師ライターとして漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選びお手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」でも情報発信をしている。
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