実は「少し青い」バナナを選ぶべし!? 注目の成分『レジスタントスターチ』とは?

2022.09.21

 日本で一番食べられている人気の果物。近年また“バナナブーム”が到来中!

総務省が公表する「家計調査」によると、バナナは1999年にりんご、2004年にみかんの1世帯当たりの購入数量を抜いて以降、日本で一番食べられている人気の果物です。

かつて大ブームが巻き起こったタピオカの次に来るドリンクとして、昨年からバナナジュースが注目を集め、全国に専門店が登場するなど、バナナブームが起こっています。

そのまま食べても甘くておいしいバナナは、ジュースにする際も砂糖不使用のため、ヘルシー志向の方の間で特に人気で、SNS上では20万件以上の投稿がされるなど話題となっています。



 子供のおやつにも嬉しい栄養満点のバナナ 実は 【少し青いバナナ】を選ぶべきって知っていた?

バナナに含まれる「レジスタントスターチ」は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2つの機能を兼ね備えた成分として、注目されています。

岐阜大学応用生物科学部食成分機能科学研究室が行った実験によると、バナナが成熟していくにつれて、レジスタントスターチの含有量が減少したという結果が出ており、青いバナナの方が黄色に熟したバナナより、レジスタントスターチが豊富に含まれているのです。

完全に青いバナナはおいしさや手に入りやすさという面から考えると継続が難しいため、腸活をする際は、茎の部分に緑色が残っている「グリーンチップバナナ」が最適なのです。
ママの美容にも子供の健康にもうれしい!シーン別バナナの効能とは?

朝バナナ:整腸効果・昼食後の血糖上昇予防
朝食は、自律神経のスイッチを入れ、腸の動きを活発にすることで、排便を促します。さらに、最近の研究では「朝食を抜くと昼食後の急激な血糖値上昇を招く」ことが分かっており、朝バナナで整腸効果や血糖値の上昇予防が期待できます。

昼バナナ:エネルギーチャージ・むくみ解消
バナナには、エネルギー源となる糖質と、糖質をエネルギーに変換するビタミンB1 が含まれています。活動量が増える昼間に食べることで、疲労回復やエネルギーチャージになります。また、塩分の排泄を促すカリウムが豊富に含まれているため、むくみやすい人におすすめです。

夜バナナ:暴飲暴食抑止・イライラを抑えて安眠に導く
夕食前にバナナを食べると、お腹が満たされるため、空腹感からくる暴飲暴食を防ぎます。また、甘みが精神を安定させ、安眠へと導く効果も期待されており、寝つきが悪いお子様にもおすすめです。



 レジスタントスターチとは

バナナに多く含まれるレジスタントスターチとは、難消化性でんぷんのことです。消化されずに腸まで届き、便のかさを増やしてお通じをよくする不溶性食物繊維と、善玉菌のエサとなって、腸内環境を良くする水溶性(発酵性)食物繊維の両方の役割を果たす最強の腸活成分です。

また、腸内環境を良くするだけでなく、食後の血糖値の上昇を穏やかにして満腹感を持続させる作用もあります。


●水溶性食物繊維の働き
善玉菌のエサとなり、腸内環境を良くする

●不溶性食物繊維の働き
便のかさを増やし、お通じを良くする



 もっと詳しく!レジスタントスターチの効果

レジスタントスターチは水溶性食物繊維、不溶性食物繊維の2つの機能を兼ね備え、善玉菌のエサとなり、その結果「短鎖脂肪酸」という物質が生み出されます。「短鎖脂肪酸」は、痩せやすい体質づくりに役立つため、グリーンチップバナナを食べることはダイエットにも効果的と言えるでしょう。

 短鎖脂肪酸 
短鎖脂肪酸とは、腸内細菌が作る、酪酸、プロピオン酸、酢酸などの有機酸を指します。特に酪酸は、腸上皮細胞の最も重要なエネルギー源であり、抗炎症作用など優れた生理効果を発揮します。

 短鎖脂肪酸の働き 

・体の脂肪組織に作用
 短鎖脂肪酸が体の脂肪組織に作用することで、「これ以上脂肪を取り込まないで」と指令を送ることで、脂肪細胞が脂肪の取り込みを防ぎます。

・満腹感を持続
 「GLP-1」というホルモン分泌を促し、満腹感を持続させ、過食を防ぎます。

・基礎代謝アップ
 短鎖脂肪酸によって、基礎代謝が上がり痩せやすくなるとも言われています。




 手軽で簡単、おいしい!レジスタントスターチがとれるグリーンチップバナナレシピ

グリーンチップバナナはそのまま食べることはもちろん、パンに塗って手軽に食べられるジャムにしたり、実は、バナナは料理に使用するのもおすすめなんです!
家計にも優しく、簡単で、満腹感がしっかり得られてヘルシーなバナナのレシピをご紹介します!


 保存可能が嬉しい!さっと使えてヘルシーなバナナ麹ジャム
さっと使えてヘルシーなバナナ麹ジャム
ポリ袋に入れて潰したバナナを、塩麹、レモン汁を加えて混ぜれば、腸活ジャムの完成。トーストに塗るだけでなく、納豆に混ぜたり、オートミールにのせて食べるのもおすすめ。
料理に加えることで、塩麹のまろやかな塩気と甘みが加わります。冷凍すれば、1か月保存ができるのも嬉しいポイントです。

【材料】
バナナ…2本
塩麹…大さじ3
レモン汁…大さじ1


 バナナを野菜感感覚で楽しむ!たことバナナの腸活セビーチェ
たことバナナの腸活セビーチェ
輪切りにしたバナナと、一口大のぶつ切りにしたタコ、1cm角に切ったセロリと、熱湯で15分茹でた押し麦を、バナナ麹ジャム、レモン汁、オリーブ油、塩を混ぜた調味料と和えます。
グリーンチップバナナは、食感もやや硬めで甘さも控えめなので、サラダの具としてピッタリ。食べ応えもアップします。

【材料】
バナナ…1本
たこ…100g
押し麦…30g
セロリ…50g
ディル(あれば)…少々
バナナ麹ジャム…大さじ1
レモン汁…大さじ2
オリーブ油…大さじ3
塩…小さじ1/2

 子供も大喜び!ほの甘リッチなバナナコロッケ
ほの甘リッチなバナナコロッケ
フォークなどでマッシュした、バナナとじゃがいもと、炒めた豚ひき肉と玉ねぎを混ぜ合わせ、小麦粉、溶き卵、パン粉の衣をつけて170℃で揚げます。グリーンチップバナナを加えることで、程よい甘さが加わり、じゃがいもだけで作るよりぐっとうまみが増すのが魅力です。

【材料】
バナナ…1本、豚ひき肉…80g
じゃがいも…大1個
玉ねぎ(みじん切り)…1/4個
塩・こしょう…少々
サラダ油…大さじ1/2
パン粉小麦粉、溶き卵、揚げ油…各適量




 
監修


小林弘幸(こばやし・ひろゆき)
順天堂大学医学部教授。日本スポーツ協会公認スポーツドクター

1960年、埼玉県生まれ。87年、順天堂大学医学部卒業。
92年、同大学大学院医学研究科修了。
ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属医学研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学小児外科講師・助教授を歴任する。順天堂大学に日本初の便秘外来を開設した「腸のスペシャリスト」。さらに、腸と密接なかかわりを持つ、自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手、アーティスト、文化人へのコンディショニング、パフォーマンス向上指導にかかわる。
また、日々の生活の中で、健康的な習慣を少しずづでも実践してほしいという思いから、みそをはじめとした腸内環境を整える食材の紹介やストレッチの考案など、さまざまな形で健康な心と体の作り方を提案している。
『医者が考案した「長生きみそ汁」』、『最高の体調を引き出す 超肺活』(アスコム刊)などの著書のほか、「世界一受けたい授業」(日本テレビ)や「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」(TBSテレビ)などメディア出演も多数。

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