汗でかぶれてかゆい!かゆみスパイラルを断ち切る肌ケアのポイント

2022.09.03

汗をかくこの季節は、汗による肌トラブルも多いですよね。

かゆくてかいているうちに悪化して、汗がひいてもなかなか治らず、さらにかいて悪化してしまう……このように悪循環のスパイラルに陥ってしまうこともあるでしょう。

悪循環のスパイラルに陥らないためには、早め早めの対策が重要です。今回は汗による肌トラブルの原因と対策について解説します。



 1.汗による肌トラブル

 1-1.汗による肌トラブルの種類

汗による肌トラブルの種類は、大きく分けて次の2つがあります。

・あせも(汗疹)
汗は「汗腺(かんせん)」から分泌され、汗を出す「汗管(かんかん)」を通って肌表面に排出されます。
一度に大量に汗をかくと、汗管から肌表面への汗の排出が滞って、肌の内部にたまってしまいます。それにより肌の内部で炎症が起こる現象が「あせも」です。
あせもの症状は、汗管の肌への開口部が赤く膨らんで、肌表面に赤くぶつぶつした皮疹があらわれ、かゆみを伴います。

・汗かぶれ(汗による接触皮膚炎)
汗の成分はほとんどが水分ですが、ごく少量の塩分やアンモニアも含まれています。
肌に長時間汗が付着していると、塩分やアンモニアの成分によって肌がかぶれてしまうことがあり、それが「汗かぶれ」です。汗による接触皮膚炎ともいわれます。
汗かぶれの症状は、汗をかいた部分を中心に肌が全体的に赤みを帯びて、かゆみを伴います。


 1-2.汗による肌トラブルの種類

あせもや汗かぶれがひどくなり、悪循環のスパイラルに陥ってしまった場合、次のようなことがないか見直してみましょう。

・大量に汗をかく環境がある
屋外でのスポーツや仕事をしている場合などが当てはまります。大量に汗をかくことは、あせもの原因になります。

・汗をかいた後に汗の処理をしない
汗が長時間肌に付着している環境は、汗かぶれの原因になります。

・肌にかゆみがあるとをつい掻(か)いてしまう
肌をかく習慣があると、症状が悪化してさらにかゆみがひどくなるという、悪循環のスパイラルに陥りやすくなります。




 2.汗による肌トラブルの正しいケア方法

続いて、汗による肌トラブルを早く治すためのケア方法をご紹介します。


 2-1.大量に汗をかいた後は涼しい環境に移る

大量に汗をかいた後は、あせもができやすいタイミングです。しかし、すぐに汗をひかせれば、あせもは一時的に生じるだけですぐにひいていきます。

そのため、汗をたくさんかいた後は、涼しい環境に移るようにしましょう。涼しい環境に移ることが難しい場合は、冷水で冷やしたタオルや布で包んだ保冷剤などで首、脇の下、関節を冷やすと、汗をひかせるのに効果的です。


 2-2.汗を早めに洗い流す(ふき取る)

汗が長時間肌に付着した状態だと、汗かぶれが起こりやすくなります。そのため、汗をかいたら早めに流水で洗い流すようにしましょう。

すぐに流水で洗い流せない状況の場合は、汗拭きシートや濡れたタオルで汗をしっかりふき取りましょう。


 2-3.掻(か)かない

汗による肌トラブルでかゆくなった部分を掻いてしまうと、肌に炎症が起こり、さらにかゆみが悪化して悪循環のスパイラルが始まってしまいます。そのため、かゆくても掻かないようにすることがとても大切です。

かゆみを我慢するのがつらいときは、かゆい部分を冷やすと症状が楽になります。また、炎症を抑える働きのあるステロイドの塗り薬を塗るのも効果的です。

また、手の爪が伸びているとかいたときに肌に傷ができやすくなります。手の爪はこまめに切っておくようにしましょう。




 3.汗をかく季節におすすめ! 漢方で肌を内側からケアする方法

「汗による肌トラブルを根本から治したい」と思われる方は、漢方薬がおすすめです。漢方薬は医薬品として効果と安全性が認められており、皮膚科でも自然由来の治療薬として使われています。

ご自身の症状と体質に合った漢方薬を選べば、ずっと抱えていた不調にも、とても良い効果をもたらします。

汗による肌トラブルには、「水の巡りを良くすることで、汗腺にたまった老廃物を排出する」「血流を改善することで皮膚に栄養を与え、弱った皮膚を強くする」「汗のかき過ぎやかゆみを抑える」などの働きのある漢方薬から状態にあわせて選びます。

血液や水の巡りがよくなることで、皮膚の免疫力も上がり、シミやシワの改善にもつながるでしょう。

しかも、漢方薬は自然由来の生薬で構成されており、一般的に副作用が少なく安全性が高いといわれています。

バランスの取れた食生活や運動習慣を継続するのは大変という方でも、漢方薬なら、毎日飲むことでからだ全体のバランスをうまく調整でき、手軽に体質改善を目指せるでしょう。

さっそく始めてみたいと感じた方のために、以下に肌のかゆみの症状に悩む方におすすめの漢方薬をご紹介します。


<汗による肌トラブルで肌にかゆみがある方におすすめの漢方薬>

・消風散(しょうふうさん)
体力が中程度の方で、強いかゆみがあり、じゅくじゅくして分泌物が多く、熱感がある皮膚症状の場合に効果的な漢方薬です。

・桂枝加黄耆湯(けいしかおうぎとう)
体力があまりない方で、汗をかきやすく、汗によるあせも・湿疹の症状がある場合に効果的な漢方薬です。


ただ、からだにやさしい漢方薬とはいえ、自分の体質に合っていなければ、良い効果が見込めないだけでなく、からだへのダメージを与える場合もあります。自分に合う漢方薬を見つけるためにも、購入時には、できる限り漢方に詳しい医師、薬剤師にご相談ください。

お手頃価格で不調を改善したい、という方にはスマホで気軽に薬剤師に相談できる「あんしん漢方」のような新しいサービスもおすすめです。AIと漢方のプロが、効く漢方を見極めて、お手頃価格で自宅に郵送してくれる「オンライン個別相談」が話題です。

●あんしん漢方:https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=22z33zc0lafa0066





 4.かゆみスパイラルを断ち切ってかゆみ知らずの肌に

今回は汗による肌トラブルと、それに対するケア方法を解説しました。

また、汗によるかゆみには、漢方薬もおすすめです。ぜひ専門家に相談したうえで、毎日の生活で取り入れてみてください。

かゆみスパイラルを断ち切って、汗によるかゆみ知らずの夏をお過ごしください。



<この記事を書いた人>


皮膚科医 金城 里美
医師/薬剤師
東京大学薬学部卒業後、医師を目指して、東京医科歯科大学医学部に入学。
体、精神とも関わって多様に現れる皮膚の病態に興味を持ち、皮膚科医の道を選ぶ。卒業後、大学病院、総合病院、クリニックでの皮膚科勤務を経て、一般皮膚科から美容皮膚科まで皮膚科領域の診療を幅広く行う。現在、総合病院の皮膚科常勤医として勤務。
皮膚がより良くなることで、その人の毎日がより明るくなることを目指して日々診療を行う。
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