もしかして秋の花粉症?春とは違う秋の花粉アレルギーを徹底対策

2022.09.14

「熱はないのに、鼻水やくしゃみが長引く」
「秋になると、皮膚のかゆみや咳が気になる」
このようなお悩みをお持ちではありませんか?

「通年病」になりつつある花粉症ですが、秋の花粉症は気づきにくいといわれています。 そこで今回は、秋の花粉症の症状やおすすめのセルフケア、漢方薬についてご紹介します。



 1.秋の花粉症

秋花粉は、背の低い草花や雑草の花粉なので、飛散距離は短いですが繁殖力が強いといわれています。これらの植物は身近に生息していることが多いため、散歩やジョギングのときに注意が必要です。

 1-1. 秋の花粉症の症状
自分の不調が花粉症によるものか不安な人も、自分は大丈夫と思っている人も、以下のチェック項目でぜひ確認してみてください。

多く当てはまる人は、「秋の花粉症」にかかっている可能性が高いため、早めの対策が必要です。

秋花粉の症状セルフチェック
・くしゃみが何度も連続してでる
・鼻水はさらっとしていて透明
・鼻が詰まって口呼吸をしないと息苦しい
・就寝中に口呼吸になるため、朝方に喉が痛い
・上記の症状に加えて、頭痛、頭重感、食欲不振、耳・喉・目のかゆみが起こることがある
・目がかゆく、充血しやすい
・目のゴロゴロ感(異物感)が気になる
・目やにや涙が増えた
・皮膚が赤くブツブツと腫れ、皮膚がかゆい
・とくに7月~12月に症状がひどくなる
・症状がでる期間は短いが、何度もくる
・散歩やジョギングをすることが多い

秋花粉は粒子が小さいため、春花粉よりもからだに侵入しやすいといわれています。そのため皮膚症状や咳症状がでやすく、ひどいときは喘息のような症状になることもあるため、注意が必要です。

また環境にもよりますが、症状がでるタイミングが不規則で見逃しがちなので、鼻のムズムズを感じたら早めの対処をしましょう。

加えて、秋は空気が乾燥し気温も下がるため風邪を引きやすく、風邪症状と秋花粉の症状を区別しづらいという人も少なくありません。

風邪の代表的な症状である発熱や喉の痛み、咳き込みといった症状は、花粉症では起こりにくいと考えられます。上記のチェックリストと照らし合わせて参考にしてみてください。

また、市販薬を買う際は、自己判断せず医師や薬剤師に相談しましょう。

 1-2. 秋の花粉の種類

秋花粉の植物としては、イネ・ブタクサ・ヨモギ・カナムグラなどが挙げられます。以下に詳しく特徴を示します。

秋花粉の種類と特徴
・イネ
花粉の飛散距離は100mほどと短いですが、繁殖力が強く、田植えや稲刈りの時期に多く飛散します。

目のかゆみや充血など、アレルギー結膜炎の症状が強くでやすい傾向があるといわれています。

また、イネ花粉によって、小麦の食物アレルギーを発症しやすくなることもあるようです。

・ブタクサ、ヨモギ
ブタクサやヨモギは、道端や公園、畑周辺、市街地などに幅広く生育しています。

花粉の飛散距離が短いため、散歩やジョギングには注意が必要です。また、早朝の風の強い時間帯は集中して飛散します。

花粉の粒子が小さいため、鼻や目よりも、皮膚症状や咳症状がでやすいようです。気管に入ると、喘息のような症状を引き起こすケースもあります。

・カナムグラ
花粉の飛散距離は数10mと短く花粉量も少ないですが、道端など身近に生息していることが多いため、接触する可能性が高い植物です。

くしゃみ、鼻水などといったアレルギー性鼻炎の症状がでやすく、アレルギー性結膜炎の症状がでる人もいます(※1)。


 1-3. 秋の花粉が飛散する時期

秋の花粉が飛散するのは7月〜12月で、9月がピークといわれています。

花粉が飛散する時期や住んでいる場所などによって、症状がでるタイミングには個人差があります。人によっては、1年中いつでも花粉症になる可能性があるといえるでしょう。

また、スギ花粉で症状がでる人は、秋の花粉症も発症しやすいため注意が必要です。症状がでる時期には花粉症対策を、症状がでていない時期には花粉症症状がでにくくなるようなからだづくりをすることをおすすめします。




 2.秋の花粉症対策

日常生活で気をつけたい、秋の花粉症対策を以下にご紹介します。


 2-1.花粉シーズン前に虫歯治療を済ませる

秋花粉のシーズン前は、虫歯治療や風邪予防をしっかりしていきましょう。体内の炎症は、花粉症を悪化させてしまうため、早めの対策が必要です。

普段の生活習慣を見直して、からだのバリア機能や修復力を高めていきましょう。


 2-2.花粉対策に必須! NG行為とは

アルコールやたばこ、辛い食べ物はなるべく控えましょう。これらは、粘膜を刺激するため、バリア機能が低下して花粉がからだに入りやすくなってしまいます。

また、糖質の摂りすぎは腸の動きを悪くし、免疫機能を低下させてしまうためNGです。

さらに、ストレスは腸内環境を悪化させます。免疫細胞を正常化して、花粉症症状がでにくいからだづくりをするためにも、自分に合ったストレス解消法を早めに見つけておくことをおすすめします。




 3.秋の花粉症を抑える食べ物

花粉によるアレルギー症状は、「免疫機能の過剰反応」つまり「脳の勘違い」によるものです。免疫細胞の半分以上は腸にいるため、腸内環境を整えることで脳から細胞への指令が正常化されると考えられています。

そのため、腸内環境を整えることが花粉症対策につながるのです。もちろん、逆もしかりで、脳の状態を安定させることも、腸内環境を整えることにつながるでしょう。

ここでは、腸内環境を整えて、からだの内側から花粉症対策ができる栄養素や食事をご紹介します。


<花粉症対策におすすめの栄養素や食事>

・乳酸菌
腸内環境を整えるほか、免疫細胞のバランスを整える働きも持っています。花粉症を引き起こす物質の発生を抑えるよう、働きかけます。

(例)ヨーグルトやチーズ、味噌、キムチなどの発酵食品

・食物繊維、オリゴ糖
食物繊維やオリゴ糖は、たんに腸内環境を整えるだけでなく、乳酸菌など善玉菌のエサにもなるため、善玉菌の増加を促してくれます。

善玉菌の増加は、アレルゲンとなる花粉の吸収を抑える「IgA抗体」の増加にもつながるため、積極的な食物繊維やオリゴ糖の摂取が花粉症の症状を抑えることにつながるでしょう。

(例)
不溶性食物繊維:穀類、豆類、さつまいも、ごぼう 
水溶性食物繊維:海藻類、こんにゃく、リンゴ、バナナ
オリゴ糖:大豆、ゴボウ、アスパラガス、タマネギ、トウモロコシ、にんにく、バナナ

・ビタミンD
ビタミンDは、腸のカルシウム吸収を促し骨を丈夫にするほか、免疫を調整する働きももっています。

(例)干しシイタケ、干しキクラゲ、イワシ、シラス、紅鮭、スモークサーモンなど

また、太陽光(紫外線)を浴びると、体内でビタミンDがつくりだされます(※2)。



 4.秋の花粉症対策には漢方もおすすめ

「食事などに気を使っているのに、毎年の花粉症症状がつらい」
「花粉症対策として、根本的に体質を見直したい」
そんなお悩みをお持ちの方におすすめなのが、漢方薬です。

花粉症には、「血流をよくして免疫力を上げることで、花粉症への抵抗力を高める」「水分の代謝を改善し、アレルギーの原因である抗原をからだの外に排出する力を上げる」などの作用のある漢方薬を選びます。

何種類もの生薬を組み合わせて作られている漢方薬は、心とからだのいくつもの症状に同時にアプローチできます。西洋薬は化学的に合成されており、限定した症状のみに作用するため、その点も異なるといえるでしょう。

自分の状態に合わせて、西洋薬と漢方薬のいいとこ取りをすることがおすすめです。西洋薬では花粉によるアレルギー反応を抑え、漢方薬では消化器系や免疫力、アレルゲンの過敏反応を改善することで、花粉症を根本から改善していきましょう。

また、ストレスや考えすぎなど日常生活に要因がある場合は、日頃の養生や体質に合った漢方薬でアプローチする必要があります。

「健康的な食事や運動を毎日続けるのは大変……」という方でも、漢方薬を使った体質改善なら、自分の症状や体質に合うものを毎日飲むだけなので、気軽に続けられます。

お悩みの症状改善のため、日々の生活のなかへ漢方医学を取り入れてみてはいかがでしょうか。

<秋の花粉症におすすめの漢方薬>

・苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)
胃腸が弱く、冷え性で、咳や薄い痰がでる方
温めすぎる生薬を使いにくい人や、花粉症初期症状が少し進行した方に向く漢方薬です。水分代謝を促し、咳を鎮めます。むくみやさらさらした鼻水にもおすすめです。

麦門冬湯(ばくもんどうとう)
口が渇き、空咳がでる方

からだに潤いを与えます。また、気道や胃粘膜を潤し消化吸収力も高めるため、咳がでにくくなるほか喉の痛みにも働きかけます。痰が切れにくく、ときに咳き込み、喉や口の乾燥感を感じる方に向きます。

・補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
疲れやすく、食欲がわかない方

主に気を補い血(けつ)を作りだす力を助けます。貧血、倦怠感、食欲不振、消化不良に用いられます。胃腸の働きが衰えて元気がない方、虚弱体質の方に向いています(※3)。

漢方薬は自分の体質に合っていなければ、いい効果が見込めないだけでなく副作用が起こることもあります。自分に合う漢方薬を見つけるためにも、購入時にはできる限り漢方に詳しい医師、薬剤師にご相談ください。

「お手頃価格で不調を改善したい」という方には、スマホで気軽に薬剤師に相談できる「あんしん漢方」のような新しいサービスもおすすめです。AIと漢方のプロが効く漢方を見極めて、お手頃価格で自宅に郵送してくれる「オンライン個別相談」が話題です。

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 4.秋の花粉症には要注意!? セルフケアで早めの対策を!

花粉は、晴れていて風の強い日や雨天後の晴れた日、乾燥した日、気温が高い日などに飛散しやすいため、十分な対策が必要です。

とくに、秋花粉による症状は長引きやすいので、早めに対策していきましょう。

日頃のセルフケアや漢方薬など、自分に合ったものをいいとこ取りして、花粉症症状がでにくいからだづくりを目指していきましょう。


【参考】
(※1)花粉の時期はいつから・いつまで?|アレジオン
https://www.ssp.co.jp/alesion/hayfever/calendar/
(※2)腸内細菌と健康|eヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-003.html
(※3)森雄材著『図説 漢方処方の構成と適応 第2版』(神戸中医学研究会)



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<この記事を書いた人>

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 杉岡 弥幸
薬剤師。北里大学で生薬学を学び、卒業後は大手漢方専門店にて漢方薬剤師として勤務。現在は自身のダイエット経験や健康に関する知識を活かして、漢方や養生による体質改善方法をWeb等で発信。
漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選びお手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」でも情報発信をしている。
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