寝ているのに眠い原因は「低血糖」かも?【健康な人でも起こる低血糖の改善方法】

2022.12.03

「睡眠時間は確保できているのに、日中常に眠い」
「集中力が下がって、やる気が起きない」
このようなお悩みをお持ちの方は、もしかしたら「低血糖」かもしれません。

「低血糖」と聞くと、糖尿病の方が発症する症状と思われがちですが、実は健康な方でも少なからず起こることがあります。そこで今回は、低血糖の具体的な症状やセルフチェック、対策についてご紹介します。





   1.低血糖とは?

低血糖とは、血糖値が必要以上に下がった状態をいいます。

低血糖は、糖尿病を薬で治療されている方にとって、最も注意しなければならない症状ですが、普段血糖値が正常な方でも、生活習慣の乱れによって低血糖が起こることがあります。

以下に、低血糖の症状について詳しく示します。


  1-1.低血糖の症状
私たち人間のからだは、血糖値が70mg/dL以下になると、下がった血糖値を上げようと交感神経が刺激され、低血糖症状が出始めます。

さらに、血糖値が50mg/dL程度になると、脳がエネルギー不足になり、脳から全身に指令を送る神経「中枢神経」に関わる症状が出るのです。それがさらに進むと、昏睡状態のような命に関わる状態になってしまうこともあるため、注意が必要です。

低血糖症状の出方には個人差があり、血糖値が70mg/dL以上であっても症状が出る方もいれば、70mg/dL以下になっても症状が出ない方もいます。


以下に、低血糖の症状を3段階に分けてご紹介します。

・血糖値が70mg/dL以下
交感神経が刺激されることで症状があらわれます。
例)顔が青ざめる、手や指が震える、汗をかく、不安になる、動悸が起こる

・血糖値が50mg/dL程度
中枢神経症状があらわれます。
例)頭痛、集中力の低下、生あくび、眠気、めまい、目のかすみ、疲労感

・血糖値が50mg/dL未満
大脳の機能が低下して危険な状態です。
例)昏睡、異常行動、痙攣

低血糖症状が軽いからといって、繰り返し起こる症状を放っておくと、無自覚性低血糖になる可能性があるため注意が必要です。

無自覚性低血糖は、自覚症状があらわれず低血糖状態に気づくことができません。そうすると、知らぬ間に血糖値が下がってしまい、意識障害や昏睡のような命に関わる症状が突然あらわれてしまうのです。
(※1)



   2.低血糖チェックリスト

低血糖は、糖尿病の方だけでなく誰しも起こりえる症状です。何気ない習慣が低血糖を引き起こす可能性もありますので、まずは普段の生活を振り返り、セルフチェックしていきましょう。

当てはまる項目が多いほど、低血糖に注意が必要です。

〈低血糖になりやすい人チェックリスト〉
・胃下垂である
・胃酸が出やすい
・過度なダイエット経験がある
・甘いお菓子やスナック菓子を好んで食べる
・ストレスがたまると、甘いものを欲する
・夜中に目が覚めて、何かを食べてしまうことがある
・日常的にアルコールを飲んでいる
・夕方にかけて強い眠気を感じる
・集中力が落ちやすい
・体重の増減が激しい
・頭痛や動悸、しびれなどが時々起こる
・血縁者に糖尿病の人がいる

上記のうち、当てはまる数が多い方ほど低血糖になる可能性が高いといえます。早めにセルフケアを取り入れるのがおすすめです。



   3.低血糖を改善する生活のポイント

先ほどご紹介したセルフチェックで、少しでも当てはまった方は早めの対策が必要です。以下に、低血糖を改善するための食生活や生活習慣の改善ポイントを3つご紹介します。


  3-1.低血糖を改善する食事
低血糖を改善するには、胃腸を丈夫にし消化吸収をよくする食事や、腸内環境を改善する食事、肝機能を高める食事がおすすめです。以下に、栄養素や食材などについて詳しくご紹介します。

〈おすすめの栄養素や食材〉
・食物繊維、オリゴ糖
食物繊維やオリゴ糖は腸内環境を整えるだけでなく、乳酸菌などの善玉菌のエサになるため、善玉菌の増加を促します。また、食物繊維は血糖値の上昇を穏やかにするため、おすすめの栄養素です。

例)
不溶性食物繊維:穀類、豆類、さつまいも、ごぼう
水溶性食物繊維:海藻類、こんにゃく、リンゴ、バナナ
オリゴ糖:大豆、ゴボウ、アスパラガス、タマネギ、トウモロコシ、にんにく、バナナ

・ビタミンB群
ビタミンB群は、糖質や肝臓の代謝機能を維持します。アルコールをよく飲む人は不足しやすくなるため、食事から積極的に摂るとよいでしょう。

例)
豚ヒレ、豚モモ、サバ、枝豆、納豆、そば


  3-2.ストレスをためない
ストレスの蓄積は、胃腸機能の低下につながります。胃腸機能が低下すると、食事の消化吸収が悪くなり、しっかりと栄養が吸収できず、食事を摂っても血糖値が少ししか上昇しません。その結果、低血糖症状が起こるのです。

自分に合ったストレス発散法を見つけて、ストレスをためないようにしましょう。

例)
ランニング、入浴、カラオケ、アロマ


  3-3.適度な運動
低血糖を改善するためには、適度な運動が大切です。運動を継続することで、インスリン抵抗性の改善が期待できます。

インスリン抵抗性が悪いと、血糖値のコントロールがうまくいかないため、日頃の運動で改善しておく必要があるのです。

また、適度な運動には、代謝の改善や心臓や肺の機能向上、ストレス発散などの効果もあるためおすすめです。

ただし、空腹時の運動や過度な運動には注意が必要です。これらは、低血糖を引き起こす要因となりますのでほどほどに行いましょう。




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