【薬剤師が解説】乗り物酔いの不快感がなくなる!お出かけ前にやっておきたい3つの対策

2023.05.23

「旅行やドライブは楽しいが、乗り物酔いになってしまうと思う存分楽しめない……」「旅行中、友達や家族に心配をかけたくない」そんな声をよく耳にします。乗り物酔いの気持ちの悪さは、本当につらいですよね。

そこで今回は、乗り物酔いの原因と予防策について解説します。この記事を読んで、乗り物酔いの心配をせず、心から楽しむことができる快適な旅を過ごしてください。


  1.乗り物酔いはどうして起こる?

乗り物酔いの原因はいくつかありますが、よくあるのは急激な変化にからだがついていけないことです。人間のからだは思ったよりもデリケートで、小さな衝撃でもバランスを崩してしまうことがあります。そのため、からだは耳の奥の内耳にある三半規管という器官を使って変化に対応できるように、平衡感覚を保つようにしています。

しかし、目で見る光景と乗り物の動きのギャップが大きいと、たとえ頑張って平衡感覚を保っていても脳が混乱し、自律神経が乱れてしまうことがあります。これにより、乗り物酔いが引き起こされてしまうのです。

たとえば、乗り物に乗って本を読むと気持ちが悪くなることがあるのは、乗り物の「揺れ」でからだは動いているのに、目は別の一点を集中しているという情報のズレで脳が混乱していることが考えられます。


   2.乗り物酔いの原因は「揺れ」だけじゃない

乗り物酔いを引き起こす原因は「揺れ」だけではなく、以下のような要因があげられます。

● 疲れや睡眠不足で体調が悪い
● 食べ過ぎや空腹
● 車内でのスマホや本、ゲーム
● 車内の不快なにおい
● 過去の乗り物酔いの経験による不安
● 車内温度
● 車の急発進、急カーブ、急ブレーキ

普段は酔わない人でも、体調が悪いときには車内の温度やにおいなどの環境に敏感になってしまいます。普段から体調管理には気をつけましょう。



   3.乗り物酔いの予防策


酔ってしまうのは仕方がないと諦めていませんか? 乗り物酔いの不快感は、しっかりと予防策をとることで、症状を軽減することができます。ここでは、乗り物酔いの予防策を3つご紹介します。

 3-1.体調を整えておく
旅行前日は、準備をするのも楽しく、興奮してなかなか寝付けないですよね。ですが、前日の夜更かしは禁物です。乗り物に乗る前日は、しっかりと睡眠をとって体調を整えておくように心掛けましょう。睡眠不足や疲れにより自律神経が乱れて、乗り物酔いを引き起こす可能性があるため、体調管理は重要です。

また、食べ過ぎや空腹も乗り物酔いにつながります。乗り物に乗る直前の食事は避けて、当日は消化のよいものを食べ、からだを整えましょう。長時間の移動中におなかが空かないように、スナック類や飲み物などを用意しておくのもおすすめです。


 3-2.酔いにくい場所や体勢を知っておく
乗り物酔いを防ぐには、乗り物のどの場所に座るかがポイントです。揺れ方は乗り物の位置によって異なるため、できるだけ揺れにくい場所を選んでください。

車なら助手席、バスなら前輪と後輪の中間地点(前から4~5列目)の座席、船なら中央付近の座席、飛行機なら真ん中の主翼の少し前あたりが揺れにくいとされています。また、進行方向と同じ向きで座ると、乗り物酔いしにくくなります。後ろ向きの電車やバスは避けるようにしましょう。

ほかには、頭が揺れないようにすることも大切です。あごを引いて頭を揺らさないようにすることで、内耳に入っているリンパ液の動きを最小限に抑え、乗り物酔いを防ぐことができます。


 3-3.脱ぎ着しやすく締め付けのない服装をする
からだにフィットする服装や締め付けるベルトなどは、乗り物酔いを起こす原因のひとつとなります。そのため、旅行中はできるだけ締め付けのない服を選びましょう。また、体温調節がしやすいように、脱ぎ着しやすいアウターを選んでおくと安心です。移動時は座席に座って過ごす時間が長くなりますので、実際の予定服を着て、座り心地がラクかどうか事前確認することもお忘れなく。