【薬剤師が解説】ナプキンがもたない! 生理の量が多い「過多月経」目安と原因をチェック

2023.05.30

「最近生理のときの経血量が多く、1時間もナプキンがもたなくて心配……」 そんな悩みを抱える女性に向けて、過多月経の目安や原因についてわかりやすく解説します。

生理の不調は、生活習慣やストレス、ホルモンバランスの乱れなど、原因はさまざまです。安心して生理を迎えるためにも、ぜひ参考にしてください。


  1.生理の量の基準値を知ろう

生理の量の基準値をご存知でしょうか? 一般的に、1回の経血量は20~140mlが基準値とされています。経血が多く出るのは通常2~3日目で、生理期間は3~7日程度です。

目安として、最も経血量が多い日にナプキンの交換が2~3時間に1回程度で済むのであれば、正常といえます。ただし、経血量は個人差が大きく、ホルモンの状態でも大きく異なります。

日頃から、自分の生理の量をある程度把握することは重要です。ナプキンの使用量、取り替える頻度などをチェックすることで、自分の生理が正常かどうかを判断することができます。



   2.経血量が多い「過多月経」

「過多月経」とは、経血量が先述した基準値よりも多い状態を指し、一般的には1回の生理で150ml以上であるとされています。この状態になると、ナプキンが1時間ももたないと感じるくらい経血量が多くなり、生活に支障をきたすことも。また、経血量が多くなる以外にも、経血にレバー状の塊が頻繁に生じたり、貧血やめまいなどの症状があらわれたりします。



   3.過多月経になる原因


過多月経になる原因は、以下のようなものがあげられます。

 3-1.ホルモンバランスの乱れ
過多月経の原因のひとつは、ホルモンバランスの乱れです。月経時に分泌される女性ホルモンのプロゲステロンは、子宮内膜を整える役割があります。しかし、ホルモンバランスが乱れて分泌が不十分になると、子宮内膜が異常に厚くなり、出血量が増える可能性があります。この結果、経血にレバー状の塊が生じます。

20~30代の女性は、仕事によるストレスや不規則な生活、運動不足、栄養の偏りなどの要因が多く見られ、これらがホルモンバランスの乱れの原因となることがあります。そのため、日頃から健康的な生活習慣を心がけることが大切です。


 3-2.婦人科系疾患
婦人科系の疾患によっては、月経時に大量の血の塊が出たり、ナプキンの交換が1時間ももたなかったりする異常な経血量が生じることがあります。

代表的な疾患としては、子宮筋腫や子宮内膜症、子宮頸がんなどがあげられます。これらの疾患は早期発見が重要です。急に経血量が増えたり、ひどい貧血が起きたりするなどの症状があらわれた場合は、早めに婦人科を受診することが大切です。

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