PMSの食べ過ぎ問題を解決する方法
PMSによる食べ過ぎの原因はわかりましたが、この食欲を抑えるにはどうしたら良いのでしょうか？
4つの対策法をご紹介します。
1.【そういうものだと思ってリラックス】PMSによる食べ過ぎは、女性ホルモンの変化ゆえ仕方のないことです。
生理が始まればプロゲステロンが減少していくので、食欲が次第に収まります。そして生理が終わると、もうひとつの女性ホルモンである「エストロゲン」の働きにより、「痩せ期」と呼ばれる痩せやすい期間（生理後～排卵日までの約1週間）に入ります。
そのため、食べ過ぎてしまうのは生理前のこの時期だけだと割り切ることも大切。
食べる自分を責めずに本当に食べたいものを食べれば、心身が満たされ、必要以上の過食を防ぐことができるでしょう。
2.【食材を選び、食べ方を工夫する】生理前～生理中は、バナナ・アボカド・ナッツ類・大豆食品・ヨーグルトなどの食材を積極的に摂るのがおすすめ。
カリウムなどのミネラルや栄養素が豊富だったり、腸内環境を整えてくれたり、健康・美容に良いことばかりです。
とくに大豆食品はイソフラボンが含まれていることから、ホルモンバランスを整える働きが期待できます。
また、食べ過ぎをストップするには、食べる順番や時間にも気をつけましょう。
食物繊維が多い野菜→タンパク質（肉類や魚類）→炭水化物（ご飯やパン）の順番だと、血糖値の上昇が緩やかになり、満腹感を感じやすくなったり、身体に脂肪がつきにくくなったりします。
3.【低用量ピル】経口避妊薬として有名な低用量ピルは、PMSの代表的な治療薬です。
低用量ピルは排卵抑制作用によって卵巣や子宮を休ませ、ホルモンバランスを整えます。
そのため、PMSの症状全般が改善されます。
4.【漢方薬でPMSによる過食を抑える】
「食べたくないのに食べすぎる……」、「PMSのイライラ過食を止めたい……」そんな方には漢方薬がおすすめです。
実際に、漢方薬はPMSに悩む方にも用いられています。
漢方は、気分などの生命エネルギーを表す「気」、血液や栄養を表す「血」、むくみなどの原因となる体液を表す「水」の3つの要素を補い、めぐらせる「バランスの医学」。
漢方では人体を「気・血・水」の3つめぐりで考える独自の考えをもとに、一人ひとりの体質（証）に合わせた生薬の組み合わせで、身体全体のバランスを整え理想的な健康状態へと導きます。
漢方では、生理前のイライラ・食欲増進などが起こるのは、血が不足している状態（血虚）が原因であると考えられています。生理前には血を補おうとするため、エネルギー源として糖質や高カロリーのジャンクフードを大量に欲するようになると考えられているのです。
〈PMSによる不調に悩む方におすすめの漢方薬〉・当帰芍薬散（とうきしゃくやくさん）：冷え性・貧血気味の方に。
・桂枝茯苓丸（けいぶくりょうがん）：肩こり・足冷え・のぼせ気味の方に。
どちらの漢方も、PMSの症状全般・月経異常・生理痛・不妊・更年期障害などの婦人科系トラブルの改善に有効です。
漢方薬は飲むだけと簡単ですが、注意点としては体質に合ったものを服用すること。自己判断での服用は効果が出にくいばかりか、副作用が生じる恐れもあります。
ただ、自然の生薬で構成される漢方薬は本来、副作用が出にくいものですし、体質に合えば大きな効果が期待できるものです。そのため、服用前にはしっかりと漢方に詳しい医師や薬剤師に相談しましょう。
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https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=22z33zc0lafa0002PMSと上手につき合っていきましょう！
PMSによる食べ過ぎやその他の不調は、女性ホルモンが正常に機能している証拠でもあり、身体の異常ではありません。
今回紹介した対処法を無理のない程度に実践しながら、PMSを受け入れつつ生理前を穏やかに過ごせるといいですね。
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【執筆者プロフィール】
薬剤師 浅田 麻希（あさだ まき）2009年に薬剤師免許を取得。有名皮膚科クリニックの門前薬局での勤務・同クリニックでの研修経験を経て、現在は医療系・美容系ライターとして活動中。
