二の腕の赤いポツポツの原因は？マシュマロ肌をつくる正しい二の腕ケア

2022.03.31

美容・健康

春から夏に向かうこの時期、これから少しずつ気温も上がり、いよいよ薄着の季節が到来します。

暑い時は半袖やノースリーブも着たいけれど、二の腕のポツポツが気になってしまう……と二の腕にお悩みのある方は多いのではないでしょうか。

今回は、二の腕のポツポツの原因と対処法について解説します。

1．二の腕のポツポツ・赤みは「毛孔性苔癬」かも？

二の腕のポツポツ・赤みで多いのは「毛孔性苔癬（もうこうせいたいせん）」と呼ばれる良性の皮膚疾患です。「毛孔性角化症」とも呼ばれます。

毛孔性苔癬は20代くらいまでの若い人によくある疾患であり、日本では10代の30〜40％にみられるともいわれています。30代以降になると自然に消えていくといわれますが、人によっては40代、50代になっても続く場合があります。

1-1．二の腕のポツポツができる原因

「毛孔性苔癬」はどうしてできるのでしょうか。それは、毛穴に古い角質がたまってしまうことが原因であるといわれています。

毛穴に角質がたまると、毛穴が盛り上がってポツポツとした見た目になってしまいます。二の腕だけではなく、背中、お尻などに同じ症状が出ることもあります。根本的な原因はまだはっきり解明されていませんが、遺伝性もあるといわれているのです。

ポツポツが炎症を起こして赤くなることも時々ありますが、多くの場合は通常の皮膚の色で、痛みもありません。また、たまにかゆみがあることもありますが、通常はかゆみもないことが多いのです。

このように、自覚症状はそれほど強くはありませんが、ポツポツとした見た目が気になってしまう方も多いと思います。

ただし、二の腕のポツポツのかゆみ、赤み、痛みが激しいなど、症状が強い場合は別の皮膚疾患の可能性もありますので、病院で適切な診断・治療を受けるようにしましょう。

2．二の腕のポツポツ・赤みのセルフケア方法

二の腕のポツポツを治したい！そんな方におすすめのセルフケア方法をご紹介します。

2-1．こまめな保湿をする

毛孔性苔癬は、毛穴に角質がたまって盛り上がってしまっている状態です。角質をやわらかくするためにもこまめな保湿を心がけましょう。

とくに、角質をやわらかくする作用のある尿素が入った保湿剤はおすすめ。お風呂上がりの皮膚がふやけている時に保湿をすると効果的です。

2-2．刺激を避ける

ポツポツをなくすためにと、こすってしまうのは逆効果。繰り返し刺激を受けると、皮膚は防御反応のために徐々にかたくなってしまいます。そのため、できるだけ刺激を避けるようにしましょう。

また、ポツポツを潰すのもNG。潰しても角質は再び自然にたまってしまいます。皮膚に傷ができてしまったり炎症を起こしてしまったりする原因にもなるので、避けましょう。

3．二の腕の肌をケアする食べ物

皮膚は常に、古い皮膚が剥がれ落ちて新しい皮膚になる代謝（ターンオーバー）を繰り返しています。毛穴に角質がたまるのは、皮膚のターンオーバーの乱れも関わっていることがあるのです。

皮膚のターンオーバーの改善には毎日の食事も大切。皮膚のターンオーバーを助ける栄養素と食材をご紹介します。

3-1．ビタミン類

皮膚のターンオーバーの改善のためには、ビタミンをとることが大切！ビタミンの摂取を心がけるようにしましょう。

・ビタミンB群
皮脂分泌の調節を助ける作用や、皮膚のターンオーバーのリズムを改善させる作用があります。
多く含む食べ物：豚肉、レバー、うなぎ、卵、大豆、イワシ、マグロ、玄米、納豆など

・ビタミンC
皮膚をストレスや老化から守る抗酸化作用や皮膚の代謝を助ける作用があります。シミや色素沈着の改善にも効果的といわれています。
多く含む食べ物：レモン、ブロッコリー、パプリカ、イチゴ、キウイなど

・ビタミンE
皮膚の血行を促進させる作用があります。ビタミンCと同様に抗酸化作用もあります。
多く含む食べ物：ナッツ類、アボガド、うなぎ、たらこなど

3-2．たんぱく質

皮膚の細胞や、皮膚のハリ・弾力を保つコラーゲンの主成分はたんぱく質です。そのため、たんぱく質はターンオーバーで新しい皮膚を作るためには欠かせません。

皮膚の健康のためにたんぱく質をしっかり摂るようにしましょう。たんぱく質は肉類、魚類、大豆類、卵、乳製品などに含まれています。

4．肌のトラブルは漢方で内側からアプローチ

肌のトラブルは、食事やストレスなど実はからだの内側が原因で起きることもあります。皮膚トラブルを根本的に解決したいという方には、漢方による内側からのアプローチも効果的です。

漢方薬のなかには、皮膚の荒れを改善させる効果が認められているものもあります。血液の巡りが悪いと、体中に栄養が行き渡らずに、肌のトラブルになると考えられているのです。

漢方にはからだにあらわれている症状を、体質から根本的に改善させるという考え方があります。そのため、体質に合った漢方薬を選ぶと、体質改善効果により、複数の症状が改善されることもあるのです。

また、自然の生薬を組み合わせることで作られているため、一般的に副作用が少ないとされており、安心して使うことができます。

毎日の生活を変えたり、毎日運動をしたりというのはハードルが高いと思う方でも、漢方薬は毎日飲むだけで体質改善が目指せるため、気軽に続けることができます。

＜皮膚の荒れが気になる方におすすめの漢方薬＞

・桂枝茯苓丸（けいしぶくりょうがん）
下半身の冷え、肩こり、のぼせ、更年期障害、しもやけ、しみ、湿疹・皮膚炎、にきびなどに効果的な漢方薬
漢方の考え方では、からだを巡る「血（けつ）」が各組織に栄養を届けています。血の巡りが滞ると、上半身はのぼせて下半身が冷えるという状態が起きやすくなり、各組織への栄養の供給も滞ってしまい、皮膚の荒れにもつながります。
桂枝茯苓丸は血の巡りを良くすることで、それらの症状を改善する効果があるといわれています。

・よく苡仁（よくいにん）
いぼや皮膚の荒れに効果的な漢方薬
よく苡仁はハトムギの皮を除いた種です。ハトムギは炎症を抑える作用や水分バランスを整える作用があるといわれており、いぼ、皮膚の荒れに効果的です。

漢方薬は自分の体質に合っていなければ、良い効果が見込めないだけでなく副作用が起こることもあります。自分に合う漢方薬を見つけるためにも、購入時には、できる限り漢方に詳しい医師、薬剤師にご相談ください。

「お手頃価格で不調を改善したい」という方には、スマホで気軽に薬剤師に相談できる「あんしん漢方」のような新しいサービスもおすすめです。AIと漢方のプロが効く漢方を見極めて、お手頃価格で自宅に郵送してくれる「オンライン個別相談」が話題です。

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5．二の腕をポツポツ知らずのマシュマロ肌に

二の腕のポツポツは、毛穴に角質がたまって盛り上がった毛孔性苔癬であることが多く、その原因として遺伝性もあるといわれています。

毛孔性苔癬のセルフケア方法としては、保湿を心がけたり、刺激を避けたりすることが大切です。さらに、皮膚のターンオーバーを助けるビタミン類、たんぱく質の摂取も心がけましょう。

また、二の腕のポツポツの症状が強い場合は病院で治療することもできますので、相談してみましょう。
二の腕のポツポツ対策をして、ノースリーブも自信をもって着れるマシュマロ肌を目指しましょう。

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＜この記事を書いた人＞

皮膚科医　金城里美
医師／薬剤師
東京大学薬学部卒業後、医師を目指して、東京医科歯科大学医学部に入学。
体、精神とも関わって多様に現れる皮膚の病態に興味を持ち、皮膚科医の道を選ぶ。卒業後、大学病院、総合病院、クリニックでの皮膚科勤務を経て、一般皮膚科から美容皮膚科まで皮膚科領域の診療を幅広く行う。現在、総合病院の皮膚科常勤医として勤務。
皮膚がより良くなることで、その人の毎日がより明るくなることを目指して日々診療を行う。

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