「ここ数年で、おりものの量や状態が変わっていて心配……」
「自分のおりものが正常かどうか気になる……」
このような悩みをお持ちではありませんか?
おりもののニオイや量など、デリケートゾーンの不快な症状は誰にでも起こる可能性があり、実は多くの女性が経験しています。
人に言えない悩みだからこそ、気になるおりものの状態を理解したいですよね。
今回は、おりものの正常な状態や異常の状態、病院受診の目安、改善に効果的な漢方薬をご紹介します。
1.おりものの役割とはおりものとは、子宮や膣、汗腺からの分泌物が混じりあった粘性のある液体のことで、細菌がからだの中に侵入するのを防ぐ「自浄作用」や、排卵期に受精の手助けをする大事な働きを担っています。
ご自身のおりものについて不安がある人も、正常な状態か否かしっかり見分けられるよう、以下より詳しく解説します。
1-1.正常なおりものの状態おりものの量や状態には個人差があり、女性ホルモンの分泌量次第でも変わるため、量や状態は生理周期だけでなく年齢によっても異なります。
また、食生活やストレス、睡眠不足など生活習慣の乱れが要因で、女性ホルモンのバランスが崩れると状態が変化することもあるのです。
そこで、とくに注目したいのが「排卵期」です。排卵期は、女性ホルモンの影響により、生理周期のなかでおりもの量が最も多くなる期間です。
毎月、排卵期のおりものの量や状態をチェックすることで、ご自身の基準となる正常値がみえてくるでしょう。排卵期の正常なおりものについて、だいたいの目安を以下に示します。
<排卵期のおりものの目安>・おりものの量おりものシートでカバーできる範囲なら心配ないでしょう。
・おりものの色、状態透明か乳白色で、とろみがあります。
しかし、おりものが下着に付いて乾くと黄色くなることがあるため、トイレに行った際にトイレットペーパーに付けてチェックするとよいでしょう。
・おりもののニオイおりものは酸性なので、少しすっぱいようなニオイがすることがあります。ストレスや睡眠不足でニオイが強くなることもあるでしょう。
しかし、基本的にはそこまで匂わないものなので、生活に支障が出なければ正常と考えてよいでしょう。
上記を目安として、ご自身のおりものの量や状態が正常な範囲か確認していきましょう。
2.異常なおりものとは?おりものは、生理周期や年齢だけでなく、生活習慣の乱れなどの要因により一時的な変化があらわれます。その変化が、一時的なものなのか異常なのかを確認できるよう、異常なおりものの状態についても知っておくことが大切です。
以下に、よくあるおりものの異常4つと、それぞれの受診の目安についてご紹介します。
2-1.水っぽいものが流れる水っぽくさらっとしたおりものは、生理後1週間ほど続くことがあります。
排卵期に水っぽいおりものがみられる場合は、妊娠していないか、胃腸が弱っていないかなどをセルフチェックしましょう。
ニオイや色に異常がある場合、痛みを伴う場合はすぐに婦人科を受診することをおすすめします。
また、おりものの量が多すぎて、おりものシートでは間に合わないほどであれば、世界で最も多く報告されている性感染症「クラミジア感染症」の可能性もあります。
クラミジア感染症は、無症状のことが多く、気づきにくい病気です。頻繁に尿意を感じたり、排尿時に痛みを感じたりすることもありますので、気づいたら早めの受診を心がけましょう。
2-2.ポロポロとした塊が出る体調を崩しているときや通気性の悪い下着を着けているとき、そのほか妊娠時などに、おりものとしてポロポロした塊が出る場合があります。
白くポロポロした塊だけでなく、腟のかゆみや痛みを感じる場合、膣内の常在菌であるカンジダが増殖した「腟カンジダ症」かもしれません。
腟のかゆみや痛みを伴うときは、すぐに婦人科を受診しましょう。
2-3.血液が混ざるおりものに血液が混ざる現象は、生理直後や排卵期、生理直前に起こることがあります。
少量の血液が混ざる程度であれば、生理現象の範囲と考えてよいでしょう。
ただし、おりものに混じった血液の量が多い場合、痛みや下腹部の重だるさを感じる場合は、病気による不正出血の可能性があるため注意が必要です。
子宮筋腫や子宮内膜炎、子宮頸管ポリープ、クラミジア性子宮頸管炎、子宮頸がんなどさまざまな病気の可能性が挙げられます。
おりものに混ざった血液量の異変を感じたら、すぐに婦人科を受診しましょう。
2-4.ニオイが強い普段と比べて変なニオイがするときは、病気の疑いが強くなります。
たとえば、おりものが魚のような生臭いニオイの場合、細菌性腟症や腟トリコモナス症などが考えられます。
細菌性膣炎は、おりものが灰色や白に濁るという特徴があり、膣トリコモナス症は、おりものが泡状で黄緑色になり、陰部の痛みを伴うなどの特徴があります。
おりもののニオイが普段と違うときは、色や状態、外陰部のかゆみや痛みを伴うかどうかをチェックして、すぐに婦人科を受診しましょう。