寒暖差がだるさや肩こりの原因?【冬バテ対策に効果的な食事】

2022.12.11

「冬になると、肩こりやからだのだるさが気になる......」
寒くなる冬の時期に体調が悪くなる方は「冬バテ」傾向にあるのかもしれません。

「冬バテ」は、主に寒暖差が原因で起こるため、よく耳にする「夏バテ(クーラー病)」と似たような症状があらわれます。

とくに今年の夏は例年よりも暑く、秋にかけて一気に気温が下がりました。そのため、からだの体温調節機能が追いつかず、今年の冬は「冬バテ」でダウンしてしまう人が多くなることが予想されます。

そこで今回は、冬バテの特徴や原因、冬バテ対策について詳しくご紹介します。




   1.冬バテとは?

「冬バテ」とは、秋から冬にかけて起こるさまざまな不調で、心身ともに、もしくはどちらか一方が疲れ果てた状態を指します。

「冬バテ」の症状は、食欲低下や不眠、倦怠感といった「夏バテ」の症状と似ていますが、少し異なる点も挙げられます。以下に、冬バテの症状や原因を詳しくご紹介します。


  1-1.冬バテの症状をチェック
「冬バテ」は、気温が低く日照時間が短くなる10月〜11月の不調が、継続または悪化して起こるという特徴があります。

セルフチェックをして、冬に起こりやすい自身の不調と照らし合わせることで、冬バテかどうかを見分けることができるでしょう。以下に、冬バテの症状のチェックポイントを示します。

〈冬バテのチェックポイント〉
・日中の眠気が増える
・睡眠時間が長くても疲れが取れない
・寝つきが悪く、夢を見て、すっきり起きられない
・気分が落ち込み、何事も楽しく感じなくなる
・肩が重だるく、こりやすい
・すぐにイライラしてしまう
・集中力や注意力が落ちる
・食欲が落ち、胃腸の調子が悪くなる
・反対に、炭水化物や甘いお菓子を欲する
・風邪やインフルエンザなどにかかりやすい

上記のポイントにひとつでも当てはまる方は、早めの冬バテ対策が必要です。冬バテの原因を理解して、自分に合った対策を見つけていきましょう。


  1-2.冬バテになる原因
先程ご紹介した冬バテの症状が起こる原因は、大きく分けて「寒暖差」と「ホルモン(セロトニン、メラトニン)」によるものの2つが挙げられます。


・寒暖差による自律神経の乱れ
冬は、昼は少し暖かく朝晩は冷え込むといった外の寒暖差だけでなく、暖房のきいた部屋から寒い風呂場への移動といった室内での寒暖差も生じます。

自律神経は気温変化に応じて体温をコントロールしているため、寒暖差が激しくなると、交感神経と副交感神経のスイッチの切り替えがうまくいかなくなります。

その結果、自律神経のバランスが乱れやすくなり、血流も悪くなって、先程ご紹介した不調が出やすくなってしまうのです。

また、冬は寒さから身を守るためにからだを温めようと、交感神経が優位にはたらきやすくなります。

そうすると、血管が収縮して血流が悪くなることで肩こりが悪化したり、副交感神経がはたらきにくく睡眠の質が下がったり、イライラしやすくなったりするなどの不調にもつながってしまうのです。

・日照時間の短縮によるセロトニンやメラトニンの分泌量の低下
セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、精神を安定させるはたらきや食欲を抑えるはたらきがあります。

また、セロトニンは睡眠ホルモンであるメラトニンを作る材料でもあり、太陽光を浴びることで分泌されるため、日照時間と分泌量とが深く関わっています。

体内時計は25時間周期で動いており、太陽光を浴びることで日中はセロトニン、夜はメラトニンが多く分泌され、地球の周期(24時間)とのズレを調整しています。

そのため、日照時間が短くなる秋・冬は、自然とこれらのホルモン分泌量が減り、感情や食欲のコントロールや睡眠・覚醒リズムが不安定になるのです。

前述のように、私たち人間のからだや心は、寒暖差や日照時間など外界に影響されます。そのため、日頃からセルフケアを行って、外界の変化に左右されないからだ作りをすることが大切です。



   2.冬バテ予防におすすめの栄養素

冬バテ予防には、セロトニンを増やす栄養素や、セロトニン分泌を高めたり自律神経を整えたりするための「腸活」に必要な栄養素を摂ることが大切です。

以下に、おすすめの栄養素を3つご紹介します。


  2-1.トリプトファン
セロトニンを飲食物から取り入れるためには、セロトニンの材料である「トリプトファン」が必要です。トリプトファンは体内で生成できないため、飲食物からの摂取が必須になります。

トリプトファンを多く含むものを積極的に摂り、からだの内側からセロトニンを増やしていきましょう。
(例)豆腐・納豆などの大豆製品、チーズ・ヨーグルトなどの乳製品、そば、植物性タンパク質


  2-2.食物繊維
腸活に食物繊維は欠かせません。食物繊維には不溶性のものと水溶性のものがあり、これらをバランス良く摂ることで善玉菌が増えて、腸内環境が改善されます。

理想的な摂取割合は、「不溶性:水溶性=2:1」といわれています。

・不溶性食物繊維
腸内で水分を吸収し便をかさ増しして、腸の蠕動運動を促します。
(例)穀類、豆類、さつまいも、ごぼう 

・水溶性食物繊維
水に溶けると粘りのある形状になり、胃腸内をゆっくり移動します。そのため急激な糖の吸収を抑え、有害物質などを吸着し便として排出してくれます。また、腸内細菌のエサとなり善玉菌を増やすはたらきもあります。
(例)海藻類、こんにゃく、リンゴ、バナナ


  2-3.乳酸菌
乳酸菌とは、炭水化物などの糖質を利用して乳酸を作る細菌で、腸内環境を整えるほか、免疫細胞のバランスを整えるはたらきも持っています。食物繊維などと一緒に摂ることで、より腸活の効果が期待できます。
(例)ヨーグルトやチーズ、味噌、キムチなどの発酵食品



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