【薬剤師が解説】「新型コロナの後遺症」症状別の軽減方法

2023.11.25







   3. 漢方薬を取り入れてみる

ここからは、漢方薬で新型コロナの後遺症の症状緩和を行う方法をご紹介します。
漢方薬は西洋薬よりも副作用のリスクが少ないといわれており、原因が特定できない不調に対してもアプローチできます。

「西洋医学は”病気”を診る」「東洋医学(漢方)は”病人”を診る」とたとえられる通り、漢方は患者のからだ全体のバランスをみて整えるのが得意です。

後遺症の症状別に、おすすめの漢方薬をご紹介します。


  3-1.ぼんやり感や集中力低下
ぼんやり感や集中力低下が気になる方には、「加味帰脾湯(かみきひとう)」がおすすめです(※8)。
胃腸の機能を高め、不足したエネルギーや栄養を補う漢方薬で、貧血や気分の落ち込みなどにも適しています。不眠症状に悩む方にも処方されます。


  3-2.抜け毛や薄毛
抜け毛や薄毛が気になる方には、「十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)」がおすすめです。
エネルギーを補い、からだの隅々まで栄養を補います。からだを温めて血流を促し、栄養を届けてくれます。


  3-3.経血量や生理周期の不規則さ
経血量や生理周期の不規則さが気になる方には、「当帰芍薬散 (とうきしゃくやくさん)」がおすすめです(※9)。
からだに不足した栄養を補うとともに血流を改善し、婦人科系機能のはたらきを高めます。月経異常や月経痛、更年期症状などにも用いられます。


漢方薬の選択は、体質との相性を重要視します。たとえば、新型コロナの後遺症の症状改善を目的としていても、体質によって適切な漢方薬が変わる可能性があります。

副作用のリスクなどを考えても、医師や薬剤師などの漢方のプロに相談するのがいちばんです。

「なかなか病院に行く機会がない」という方におすすめしたいのが、オンラインで体質診断から漢方薬の購入までスマホで完結できるサービスです。




   4. 深刻に考えすぎず前向きに

新型コロナの後遺症は、全身症状、精神神経症状、呼吸器症状など幅広いものです。
罹患後にこういった症状が続くのはつらいですが、時間経過とともに治まることが大半なので、あまり深刻に考えすぎずにストレスを抱えないことも大事です。


【参考サイト】
(※1)
「新型コロナウイルス感染症の罹患後症状(いわゆる後遺症)に関するQ&A」厚生労働省
(※2)
「若い人に多いコロナ後遺症、共通点は『ブレーンフォグ』…医師『改善まで数か月以上かかる印象』」 読売新聞
(※3)
「脱毛は女性の方が3倍出やすく…『コロナ後遺症』分かってきた新たな事実 嗅覚障害等は若い世代で痩せ型ほど」東海テレビNEWS
(※4)
「コロナ後遺症、脳や肺の血栓が原因の可能性=英研究」BBCニュース
(※5)
「『頭にモヤがかかる』コロナ後遺症のブレインフォグへのTMS治療  」【公式】東京TMSクリニック:TMS治療専門医療機関
(※6)
「コロナ後遺症、回復数カ月後に突然脱毛も…『焦らず治療を』」産経ニュース
(※7)
「ワクチン接種により不正性器出血(不正出血)や月経不順が起こるのは本当ですか。新型コロナワクチンQ&A」厚生労働省
(※8)
「[新型コロナ後遺症] 頼りになる漢方薬や簡単なセルフケアを医師が指南!」カンポフルライフ by クラシエの漢方
(※9)
「新型コロナ感染症・後遺症の記事」渋谷ヒラハタクリニック




<この記事を書いた人>

あんしん漢方薬剤師

中田 早苗(なかだ さなえ)
デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。
健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘルス-youtubeチャンネルでは、お薬最適化薬剤師として「無駄な服薬はお財布と体の敵!」をモットーに薬の最適な選び方を解説する動画を公開中。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=22z33zc0lafa0124
●Medical Health CH:https://www.youtube.com/channel/UC7XLi90xVGs_NnKhowC0G2w

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