【薬剤師が解説】折れないココロを作る「セルフコンパッション」

2023.12.02

仕事や家事、育児など日常生活でうまく行かないことがあると、ついつい自分を責めていませんか?
「どうしてこんなミスをしてしまったの?」「私に努力が足りなかったせいで……」など、
自分に否定的な言葉を投げかけて、つらくなっている人もいるかもしれません。

自分を責めて心が折れそうになっている人に、ぜひ知ってほしいのが「セルフコンパッション」です。
セルフコンパッションを高めると、ストレスが和らいで、健やかなメンタルを保てるようになります。

今回はセルフコンパッションについて解説し、実戦的なトレーニング方法などを紹介します。




   1. セルフコンパッションの意味と重要性

セルフコンパッションとは、自分自身(self)を思いやること(compassion)です。
周囲の人を思いやるのと同様に、自分自身を慈しんであげることを意味します。

具体的な内容と、セルフコンパッションを実践すると期待できる効果について解説します。

  1-1.セルフコンパッションとは何か?
セルフコンパッションは、「自分自身への優しさ」「共通の人間性」「マインドフルネス」の3つの構成要素からなります。

自分を受け入れて大切にする優しさと、失敗をしたとき「失敗は自分だけがするものではなく、他者にも共通する経験なのだ」という視点、そして、自分をとり巻く環境や感情をありのままに受け入れるマインドフルネスの3つを身につけていくことで、セルフコンパッションを高めていくことができます。


  1-2.セルフコンパッションの重要性
セルフコンパッションは、前向きなメンタルを保って折れにくい心をつくるうえで重要です。

不安や悲しみのようなネガティブな感情に翻弄されにくくなるため、ストレスを感じにくくなり、精神的な余裕が生まれて健やかな心を育てることができます。


  1-3.セルフコンパッションとマインドフルネスの違い
マインドフルネスは「物事のよしあしなどの評価を手放し、今この瞬間に意識を向けて集中すること」を意味する言葉であり、セルフコンパッションの構成要素のひとつです。

マインドフルネスの状態を保って雑念や自己否定の感情などに振り回されなくなると、自分自身への思いやり(セルフコンパッション)が高まっていきます。




   2. セルフコンパッションを実践したほうがいい人の特徴

自己肯定感が低くて自分を責めてしまいがちな人やストレスを慢性的に抱えている人、怒りや焦り、不安などの感情で頭がいっぱいになりやすい人は、セルフコンパッションをとり入れることをおすすめします。

セルフコンパッションを実践すると、ありのままの自分を認めて受け入れられるようになるからです。また、「この失敗や苦悩は誰もが経験するものであり、自分が弱いわけではない」という客観的な気づきを得て、ストレスに負けにくい心を育てることができます。




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