3. セルフコンパッションを高める5つの実践的方法
セルフコンパッションを高めるために、気軽に始められるトレーニングを5つ紹介します。
3-1.自分にかける優しい言葉の準備「心配しなくて大丈夫だよ」といったように、自分を受け入れて包み込むような優しい言葉をカードや手紙に書き、持ち歩くのがおすすめです。
つらい気持ちになったとき、そのメッセージをすぐに見て自分の心を労わりましょう。
3-2.無意識な原因を洗い出す
日常生活でネガティブな感情に支配されてしまったら、「どんな状況で、きっかけは何だったのか」を洗い出すことが重要です。
ノートや日記に書き出すと、客観的に観察できるようになります。
さらに、セルフコンパッションを高めるために自分がとり組んだことや、その結果どのような良いことがあったかなども記録するといいでしょう。
自分の成長を意識できるようになるので、おすすめです。
3-3.瞑想セルフコンパッションを高めるには、「慈悲の瞑想」が適しているといわれています。
楽な姿勢で穏やかな呼吸をくり返し、「私が健康でありますように」「私の大事な人が幸せでありますように」などの慈しみの言葉を何度も唱えていきましょう。
自分自身や物事を受け入れることで、穏やかな心が手に入ります。
3-4.自身のからだに触れ、落ち着く方法を探す自分のからだを撫でるように優しく触れると、心を落ち着かせることができます。
母親が赤ちゃんに触れるときなど、人間は愛する相手に触れると「オキシトシン」という愛情ホルモンが脳内で分泌されます。
それと同様に、自分を労るように心を込めて撫でていくと、自分自身を愛して慈しむ気持ちが広がっていくのです。
周りに人がいない静かな場所で行い、心の落ち着く撫で方を見つけていきましょう。
3-5.からだの末端から中心へ意識を集中させるいわゆる「ボディスキャン」といわれるトレーニング方法です。
まずは手足の指先に意識を集中させ、穏やかに呼吸をしながら少しずつからだの中心部へと移動させていきます。
足の指、足の裏、足首、ふくらはぎ、ひざ、ふともも、お尻、腰、おなかのように一つひとつの箇所を時間をかけてじっくり意識しましょう。
全身の緊張がとけて、リラックスにつながります。
3-6.漢方薬を取り入れてみる漢方薬は、医薬品として「いらだち」「不安神経症」などに効果が認められており、心療内科や婦人科などで処方されています。
そのため、メンタルケアには
・ホルモンバランスや自律神経の乱れを整える・鎮静作用で心を穏やかにする・消化・吸収機能を改善してからだの内側から心を元気にするといった効果を持つ漢方薬が有効です。
・加味逍遙散（かみしょうようさん）疲れやすく、肩がこり、イライラや不安などの精神症状がある人におすすめです。からだにこもった余分な熱を冷ますことで気分の落ち込みやイライラなどの精神的な症状のほか、更年期のホットフラッシュに働きかけます。
漢方薬にはさまざまな種類があり、実際に服用する際には自分の症状と体質に合うものを見極めることが欠かせません。不適切な種類を漫然と飲んでいても効果は得られず、場合によっては副作用が出るおそれもあるので注意が必要です。
漢方薬に精通した医師・薬剤師に相談して、自分に適した漢方薬を選んでもらうといいでしょう。
「忙しくて病院や薬局に行く時間がない」「対面相談はちょっと苦手」という人には、最近話題のオンライン個別相談サービスもおすすめです。
4. セルフコンパッションのトレーニングの期間
セルフコンパッションを高めるには、継続的なトレーニングが大切です。すきま時間などに行い、生活習慣のひとつにしましょう。
毎日続けると、数か月程度で効果を実感できる人が増えてきます。
ただし、個人差があるため気分の落ち込みや不安感などがつらく、日常生活に支障をきたす場合には、早めに心療内科などに相談しましょう。
5. セルフコンパッションで、健やかな心を手に入れよう！
日々の生活の中では、トラブルに見舞われることもあります。うまく行かないときには自分を責めずに、「セルフコンパッション」を実践して自分自身を労わってください。
セルフコンパッションを高めるためには、継続的なトレーニングが重要です。日常生活の一部として、トレーニングを続けていきましょう。
また、メンタルケアには漢方薬も有効です。ひとりで悩みを抱え込まずに、専門家に相談してみてください。
ストレスに負けない伸びやかな心で、毎日を明るく過ごしましょう！
＜この記事を書いた人＞
あんしん漢方薬剤師中田 早苗（なかだ さなえ）デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。
健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘルス-youtubeチャンネルでは、お薬最適化薬剤師として「無駄な服薬はお財布と体の敵！」をモットーに薬の最適な選び方を解説する動画を公開中。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
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