3. オキシトシンの分泌を増やす方法
続いては、オキシトシンの分泌を増やせる方法を5つご紹介します。
3-1.愛情や親密なコミュニケーションオキシトシンを増やすためのもっとも基本的な方法は、愛情表現や、親密なコミュニケーションです。家族との団らんの時間を増やし、電話やLINEで済まさずに直接会話するなど、何気ない日常のやりとりが大事です。
たとえば、何かを一緒にするのもいいでしょう。食事を楽しんだり、スポーツが趣味なら一緒に運動してみたりするなど、行動をともにすることでオキシトシンの分泌が期待できます。
3-2.肌の触れ合い手をつなぐ、頭を撫でるなどの親子のスキンシップは、オキシトシンが出やすくなる行為だといわれています。
仕事で忙しい毎日を送っている人でも、パートナーや家族、ペットなど、ほんの短時間でも肌と肌が触れ合う時間を作ることで、オキシトシンが分泌されやすくなります。
3-3.柔らかい素材
「柔らかさや心地よさを感じたときほど、唾液中のオキシトシンの分泌が増す」(※2)という研究報告があるほど、触感は脳に影響を与えます。
ふわふわの毛布やタオル、ベロアやカシミアといった柔らかい素材のものは、ゴワゴワした繊維よりも心地よく感じられます。寝具・タオル・衣服など、身の回りにあるものを心地よい触感のものにそろえると、よりオキシトシンの分泌が期待できます。
3-4.マッサージマッサージによるケアもおすすめです。なるべく呼吸に合わせてゆっくりとしたリズムで、顔や腕、足などをさすりましょう。
そして、へそから指4本分下にある「丹田(たんでん)」というツボは、心身をリラックスさせ、倦怠感や情緒不安定などを改善するのにも適しています。からだの力を抜き、強く押さずに包み込むように両手を重ねるといいでしょう。
3-5.不安をとり除く漢方薬
精神的な不安が続く人には、漢方薬の活用もおすすめです。漢方薬は、植物や鉱物をもとにした生薬で構成されていて、基本的に化学物質のみで構成される西洋薬とは異なります。
西洋薬に比べ副作用リスクが低いともいわれており、慢性的な症状や、原因のわからない不調の対処を得意としているのです。
不安感に対しては、「自律神経のバランスを整える」「精神を安定させる」「消化・吸収機能を改善してからだの内側から心を元気にする」といったはたらきを持つものを中心に選択し、根本改善を目指します。
不安を感じる人におすすめの漢方薬をご紹介します。
<精神不安にアプローチする漢方薬>・加味逍遙散(かみしょうようさん)からだの上部、頭にこもった熱を解消し、エネルギーを整えたり、栄養の流れをよくしたりすることで、不安や気分の落ち込み、イライラを改善します。
・抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)滞ったエネルギーや栄養を巡らせ、ストレスや緊張、神経の高ぶりなどを抑え、精神を安定させます。
ただし、漢方薬は体質に合わないと副作用に見舞われる場合もあるので、必ず医師や薬剤師などのプロに体質を診てもらったうえで、適切な漢方薬を提案してもらいましょう。
4. オキシトシンで幸福度をアップさせよう!
オキシトシンは、信頼関係を深め、社会性を高めるために大切な幸せホルモンです。
人とのコミュニケーションを大事にしながら、オキシトシンの分泌を増やしていきましょう。
【参考サイト】(※1)
「脳における エストロゲンの見えざる作用 ―生殖行動を操るオキシトシン―」(※2)
「手で触れたときにやわらかさ・心地よさを実感するほど唾液中のオキシトシン量が増えることを確認」花王
<この記事を書いた人>
あんしん漢方薬剤師中田 早苗(なかだ さなえ)デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。
健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘルス-youtubeチャンネルでは、お薬最適化薬剤師として「無駄な服薬はお財布と体の敵!」をモットーに薬の最適な選び方を解説する動画を公開中。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
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