平熱35℃台の低体温に要注意!【冷え体質の人が今すぐ実践したい生活習慣3つ】

2022.12.24

「日常的に平熱が35℃台なのが気になる......」
「風邪をひきやすく、疲れやすくなった......」

コロナやインフルエンザの感染対策に力を入れたいこの季節。とくに、女性や高齢者は低体温になりやすく、冷えによるさまざまな不調が出やすいといわれています。

「低体温」の状態を放っておくと、血行不良やむくみだけでなく免疫力低下も生じ、さらに進行すると、命に関わる問題にもつながります。

今の時点で体温が35℃台であれば、「低体温」の症状が進行しているかもしれません。体内を自力で温められるようにするには、早めのセルフケアが必要です。

そこで今回は、低体温の症状や原因、冷え対策に取り入れたい「温活」の生活習慣についてご紹介します。




   1.低体温とは

「低体温」とは、深部体温として直腸の温度を測ったとき、直腸温が35℃を下回った状態です。からだの深部である、脳や内臓などの温度が下がった状態で、「冷え性」とは異なり知らぬ間に進行することもあるので、注意が必要です。


  1-1.低体温の症状
「低体温」の症状は、からだの深部の冷えによって起こるため、極めてゆっくり進行します。

自分自身に何が起こっているのか気づけるよう、低体温の症状を把握しておくことが早めの対応につながります。以下に、低体温の詳しい症状を示します。

〈初期症状(軽度)〉
深部体温が32〜35℃のときに起こります。
・からだの激しい震え(シバリング)
・歯がカチカチ鳴る
・判断力の低下
・血圧上昇
・呼吸が速くなる

〈中等度の症状〉
深部体温が28〜32℃のときに起こります。
・からだの激しい震え(シバリング)が止まる
・動作や反応が遅く、ぎこちなくなる
・思考がぼんやりする
・判断力が損なわれる
・瞳孔が広がる
・脈が遅くなる

〈重度の症状〉
深部体温が28℃未満のときに起こります。
・昏睡状態
・心拍が非常に遅く弱くなる
・心拍停止

上記のように、深部体温が低くなるほど死亡リスクは増大します。そのため、早期の発見と対応が大切なのです。


  1-2.低体温になる原因
「低体温」は、気温の低い場所で長時間過ごしたり、冷たい水につかったりといった環境が原因で起こることが多いといわれています。

人間のからだには、体温を一定に保とうとする恒常性機能が備わっていますが、寒い場所に長時間いると、体温の低下が体温を上げる力を上回ってしまいます。その結果、低体温の症状があらわれるのです。

泥酔して路上に寝てしまったり、家の暖房が十分でなかったりといった状況でも、低体温になりかねないため注意が必要です。

また、環境だけでなく、加齢や生活習慣による基礎代謝の低下、内分泌疾患も低体温の原因となります。以下に詳しく示します。

・基礎代謝の低下
基礎代謝が低下すると、体温を高めるはたらきが弱まり、低体温の状態が当たり前になってしまいます。その状態のまま年齢を重ねることで、熱を発生させる筋力も衰えて低体温の状態が進行してしまうのです。

また、冷たい飲食物や暴飲暴食による胃腸機能の低下や、ストレスによる自律神経の乱れは、体温調節機能の低下につながります。

ほかにも、無理なダイエットで栄養不足の状態が続くと、からだが省エネモードになり、低体温になりやすくなります。

・内分泌疾患
甲状腺や下垂体、副腎といった内分泌腺の機能低下も、低体温症の原因になります。

これらの臓器は新陳代謝に関係しているため、内分泌疾患により機能が低下すると熱を生みだす力が弱くなり、体温が低くなってしまうのです。


  1-3.低体温と冷え性の違い
「低体温」と「冷え性」は、同じ症状と思われがちですが大きな違いがあります。低体温は、深部体温の低下によって起こるのに対し、冷え性は末梢血管の血液障害により起こります。

そのため、低体温では冷え性でみられる寒さや手足の冷えを伴うことはありません。

先程ご紹介した低体温の症状に対し、冷え性の症状の特徴は「人が寒さを感じない環境温度でも手足や下半身が冷えてつらいと感じる」ということです。そのため、指先や足先が冷たくなっていても、深部体温は正常なことが多いといわれています。

また、冷え性では、肩こりや関節痛、不眠、便秘や下痢、膀胱炎などの症状が起こりやすくなります。
(※1)


   2.低体温を放置するリスク

「低体温」は、軽度であっても深部体温が低下しているという、からだのSOSのサインです。体温が少し低いだけといって放っておくと、知らぬ間に症状が進行して、記憶や意識障害などにつながる危険性もあります。

また、低体温の定義外ではあるものの、36℃未満という軽度な低体温でも、免疫力が低下して感染症や脳血管障害、糖尿病などさまざまな不調が出やすくなる可能性があるといわれています。

少しでも心当たりのある人には、早めの対策をおすすめします。




   3.今日から実践したい! 体温を上げる生活習慣

低体温の対策には、「温活」がおすすめです。体温が1℃上がると、免疫力が最大で5〜6倍、代謝が約13%上がるといわれています。

また、からだを温めて血流を促すことで、冷えにくいからだづくりを目指すことができるでしょう。以下に、体温を上げる生活習慣を3つご紹介します。


  3-1.からだを温める食材を摂る
食材は、加熱調理をすることでからだを温める力がアップします。生野菜よりも、焼いたり蒸したりして摂るのがおすすめです。以下に、からだを温める食材を示します。

〈からだを温める食材〉
シナモン、にんにく、生姜、ネギ、人参、かぼちゃ、れんこん、ごぼう、ジャガイモ、自然薯(じねんじょ)、玄米、あじ、いわし、サバ、エビ、鮭、ラム肉、鹿肉、牛肉、鶏肉、納豆、キムチ、松の実、クルミ


  3-2.入浴の方法を見直す
入浴方法を見直すことで、からだの芯までじわじわ温めることができます。入浴時は38°〜40℃のぬるま湯に20〜30分間ゆったりつかりましょう。

また、半身浴もおすすめです。入浴は、体温を上げるだけでなく、血行改善やストレス解消が期待できるほか、質のよい睡眠にもつながるので、日々の代謝アップが期待できます。


  3-3.運動習慣をつける
加齢による筋力低下で、低体温にならないよう運動習慣をつけることが大切です。運動を定期的に行うことで、筋力がつき基礎代謝アップが目指せます。

また、運動により、血液を心臓に戻すポンプ機能が強くなるため、体内の隅々まで血液を巡らせて、からだを温めることができるでしょう。

1日5分間の筋トレ(無酸素運動)の後に有酸素運動を行うと、効率よく代謝を上げられます。運動が苦手な人は、起床時と寝る前にストレッチをするだけでも温活につながります。

自分に合った運動習慣を見つけ、生活に取り入れていきましょう。



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