【薬剤師が解説】のどの違和感は「逆流性食道炎」かも? 放置するとキケンな胸やけ

2023.09.02





   4.逆流性食道炎の治療法

逆流性食道炎の基本的な治療方法について解説します。
ただし、具体的な治療内容は症状の程度によって異なるため、受診している人は必ず主治医の指示に従ってください。


  4-1.薬物治療
医療機関における逆流性食道炎の治療には、おもに4種類の薬を用います。

<逆流性食道炎に用いられる薬>
・胃酸分泌抑制薬(胃酸の分泌をおさえる)
・消化管運動機能改善薬(食道の動きをよくして、逆流した胃酸を胃に押し戻すのを助ける)
・粘膜保護薬(食道の粘膜を保護して、胃酸によるダメージを防ぐ)
・制酸薬(胃酸を中和する)

これらの薬には症状をやわらげる働きがありますが、自己判断で服用を中断すると再発しやすいため注意が必要です。
主治医の指示に従って、継続的に服用することが大切です。


  4-2.生活習慣の改善
生活習慣の見直しは、日常的な行動と食生活のふたつの側面から行います。

<日常的な行動の改善>
・長時間、前かがみの姿勢にならないようにする
・おなかをしめつける下着やズボンなどの着用を避ける
・寝るときはからだの右側を下にする

これらは、おなかや胃に圧力がかかりすぎないようにするうえで有効です。

<食生活における改善ポイント>
・暴飲暴食を避ける
・脂っこいもの、アルコール、カフェインを摂りすぎない
・炭酸飲料も控えめに
・食べたあと2~3時間は寝転がらない
・寝る前には食事をしない

胃酸の分泌をさかんにする飲食物の過剰摂取を控えたり、胃にかかる圧力を軽減したりするために、これらのポイントを意識してみましょう。


  4-3.漢方薬
「長期化しているわけではないけれど、最近、胸やけやのどの違和感が気になる」
「胃腸が弱くて、消化器系の不調が起こりやすい」
そんなお悩みがある人は、医薬品として効果が認められており、消化器内科でもよく処方される漢方薬を試してみてはいかがでしょうか。
胃酸を逆流させるおもな原因として、ストレスや暴飲暴食による過剰な胃酸分泌、冷えや過労、加齢による胃腸の働きの低下などがあります。

逆流性食道炎などの胃酸の逆流による不調には、
・胃腸の消化機能を回復させる
・自律神経のバランスを整えて、ストレスが原因の胃酸分泌を軽減する
・からだを温めて、胃の働きを改善する
などの働きを持つ生薬が含まれる漢方薬を選び、根本改善を目指します。

現代の女性はとても多忙です。あわただしい日々のなかにいると、「胃腸にいい食事をしっかり摂りたい」と思っていても、きちんと食べられないときもあるかもしれません。胃酸の逆流を防ぐためには就寝時間の2~3時間以上前には食事を済ませることが望ましいとされていますが、時間がとれずに難しい日もあるでしょう。

そんな毎日の健康をサポートするために、漢方薬をとり入れるのがおすすめです。逆流性食道炎によく用いられる漢方薬には、次のようなものがあります。

<逆流性食道炎におすすめの漢方薬>
・安中散(あんちゅうさん):胃痛、腹痛のある人に適しています。胃腸を温めて痛みをおさえるとともに、胃もたれ、胸やけ、慢性胃炎などに用いられます。

・六君子湯(りっくんしとう):胃腸が弱く、体力が中程度以下の人に向いています。胃腸の働きを高めるとともに、胃の中に停滞している水分の巡りに働きかけて消化機能をよくすることで、胃炎、胃腸虚弱、胃下垂、消化不良、食欲不振、胃痛などに働きかけます。

・半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう):胃腸の不調に幅広く使用される漢方薬です。どの体質でも使えますが、おなかがゴロゴロして、下痢気味の人に向いています。みぞおちのつかえをとり去り、神経性の胃炎やストレス性の胃腸症状にも有効です。

実際に服用する漢方薬を決める際には、漢方薬に精通した医師や薬剤師に相談することをおすすめします。

漢方薬を選ぶときには、自分の体質や症状に適したものを見極めることが重要です。合わない漢方薬を選択すると十分な効果が得られないばかりか、副作用につながる場合もあるため注意してください。

「あんしん漢方」のようなオンライン個別相談サービスを利用すると、自宅にいながらでもスマホで気軽に漢方相談ができますよ。漢方薬のプロである薬剤師がAIを駆使しながら、あなたの症状と体質にぴったり合った漢方薬を提案してくれます。

お手軽価格で自宅に配送してくれるので、とても便利ですよ。

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   5.胸やけやのどの症状は、がまんしないで相談しよう!

胸やけやのどの違和感、咳などの症状には逆流性食道炎が隠れている場合があるため、注意が必要です。
逆流性食道炎は胃酸が胃から食道に逆流する状態のことであり、胃酸によって食道粘膜が炎症を起こしてしまいます。

胃酸の逆流を悪化させないためには、おなかに圧力をかけないように日常動作や着衣を見直したり、食事内容に注意したりすることが大切です。
胃腸の働きを整える漢方薬を服用するのもおすすめですよ。

症状が長引くときは、むりせず消化器内科の医師に相談してください! 
不調にきちんと対処して、健やかな毎日を送りましょう。




<この記事を書いた人>

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師
碇 純子(いかり すみこ)
薬剤師・漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いから、オンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。
●Medical Health CH:https://www.youtube.com/channel/UC7XLi90xVGs_NnKhowC0G2w

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