【薬剤師が解説】おならが多いのは危険? ちゃんと知りたい原因と対策

2023.09.09

「またおならが……」そんな思いをした経験はありませんか?
おならはちょっと恥ずかしい、でも無視できないからだのメッセージです。
だからこそ、原因を知り、対策を講じることが大切です。

今回は、おならが多い原因とその対策を詳しく見ていきましょう。




   1. おならの原因とは?

どうしておならは出るのでしょうか。
まずはおならの原因を見ていきましょう。


  1-1.おならの生成プロセス
おならは体内で、主に2つのルートから生成されます。ひとつは、飲食物とともに飲み込まれる空気。もうひとつは、腸内細菌が食物を消化する際に発生するガスです。

口や鼻から取り込まれた空気は、食道を通じて胃に運ばれ、一部は腸へと進みます。その一方、腸内細菌は、からだが消化しきれなかった食物(主に食物繊維)を分解・発酵させ、ガスを生み出します。

これらのガスが混ざり合い、体外へと排出されるのが「おなら」です。


  1-2.食物とおならの関係
私たちが摂取する食物のなかには、ガスが生成されやすいものが存在します。たとえば、豆類、キャベツ、玉ねぎ、ブロッコリーなどはその代表格です。これらの食物は消化が難しいため、大腸での細菌による分解が活発になりやすいのです。


  1-3.おならの出やすい状況
おならの出やすい状況として、早食いによる空気の摂取、便秘による腸内環境の悪化、ストレスの影響、そして胃腸の疾患などが挙げられます。

早食いは大量の空気を摂取し、おならを増加させます。便秘は腸内の有害なガスの生成を促します。また、ストレスを感じると唾液を多く飲み込む傾向にあり、その際に飲み込む空気の量も増えるので、おならが出やすくなるのです。

慢性胃炎や過敏性腸症候群など胃腸の疾患がある方は、腸の機能を損なっているため、腸内環境の乱れがおならの発生につながることもあります。




   2.おならのにおいや回数が気になるときの改善方法

おならの改善方法について2つご紹介します。


  2-1.おならのにおいが気になるとき
おならのにおいが気になるときは、肉や卵などの動物性たんぱく質の摂りすぎに注意しましょう。動物性たんぱく質を多く摂ると、それを栄養源とする悪玉菌が増えて臭いおならを生み出す可能性があります。

しかし、これらはアミノ酸やビタミン、ミネラルなどを含む重要な食材ですから、全く摂らないわけにはいきません。食べすぎを控え、適量をバランスよく摂取するように心がけましょう。


  2-2.おならの回数が気になるとき
おならが多く出る原因としては、食物繊維の過剰摂取が挙げられます。食物繊維は便通を整える効果がありますが、摂取量が多すぎるとガスが増えておならが出やすくなります。食物繊維の量を適度に調整することが大切です。

また、食物繊維は不溶性と水溶性があり、それぞれ異なる効果があります。不溶性食物繊維は穀類や野菜、きのこなどに多く含まれており、便通を促します。一方、水溶性食物繊維は海藻やこんにゃく、大麦などに含まれており、便の硬さを調整する働きがあります。

おならの量を調整するためにも、2種類の食物繊維をバランスよく摂取しましょう。




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